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2022/06/07更新

建築士資格の種類とは?取得方法や仕事内容を理解しよう

資格

 
「建築士」という仕事を職業とすることで、自身で設計した建物を建てたり、そのほか多くのメリットがあります。
 
今回は、建築士になるメリットや、仕事内容、資格所得の方法についてご紹介します。
 

建築士とは?建築士の種類


 
建築士の資格は一級建築士と、二級建築士木造建築士があります。

それぞれの資格によって設計できる建物の規模や仕事内容が異なります。
 

一級建築士の仕事内容は無限大

 
一級建築士は建物を設計する上での上位資格であり、設計できる建物に制限がありません。
ほかの資格ではできない、タワーマンションや都心の高層ビルも設計することができます。
 
つまり、一級建築士はどのような設計もできるということです。
 
また、一級建築士の仕事には「設計」のほかに「工事監理」という業務もあります。

工事監理とは工事現場で建物が実際に設計図通りに建てられているか、法的にも施工要領的にも全て満たしているかを確認する業務です。

一級建築士の工事監理業務の範囲に制限はありません。
 

二級建築士の活躍の場も多い

 
一級建築士に比べ、二級建築士が設計できる建物には制限が付きます。

設計できない範囲は以下の通りです。

  • 高さ13mを超える
  • 軒高9mを超える
  • 延べ床面積1000㎡を超える(木造の場合)
    ※1 延べ床面積500㎡を超え、1000㎡以下の木造建築でも、学校や病院、百貨店などの商業施設等々は一級建築士のみ
    ※2 延べ床面積1000㎡以上でも平屋でかつ上記の高さ制限がクリアできており、用途が※1以外の建物であれば設計可能
  • 延べ床面積500㎡以上の鉄筋コンクリート造、鉄骨造などの木造以外の建物

 
このように設計できる建物の範囲が法律で決まっており、一般的に二級建築士は一戸建住宅や、低層の集合住宅を設計する方が多く保有されています。
 
一級建築士同様、工事監理の業務も行いますが、設計できる範囲の建物のみ工事監理業務を行うことができます。
 

木造建築士は木造住宅の設計では一流技術者

 
木造建築士が設計できる建物は木造のみ、延べ床面積300㎡以下の建物が対象です。

規模的に木造一戸建住宅を設計する上では、一流技術者となり木造住宅のスペシャリストといえます。
 
木造以外でも、30㎡以下の超小規模建物は設計が可能ですが、これはどの「建築士資格」を保有していなくても設計できる建物規模となります。
 

建築士の受験資格は種類によって様々


 
建築士の資格は、令和2年より受験資格が緩和され、受験しやすい資格になりました。
 

一級建築士の受験資格と免許取得まで

 

建築、土木系の4年制大学卒業者の受験資格

  • 卒業後すぐ受験可能
  • 免許登録は実務経験2年以上
建築、土木系の3年制短期大学卒業者の受験資格

  • 卒業後すぐ受験可能
  • 免許登録は実務経験3年以上
建築、土木系の2年制短期大学、高等専門学校など卒業者の受験資格

  • 卒業後すぐ受験可能
  • 免許登録は実務経験4年以上
    ※専修学校卒業生は上記の在学年数と同じ条件となります。
2級建築士、建築設備士

  • すぐに受験が可能
  • 免許登録は2級建築士としての実務経験4年以上

 
令和元年までは各種大学や専門学校、工業高校を卒業し所定の実務経験を終えている人や、専門系の学科を卒業していなくても一定期間建築の実務(設計実務)をしている人が、初めて受験資格を得ることができました。

しかし令和2年からは、所定の学校を卒業後すぐに受験が可能となり、その後の実務経験に応じて免許取得が可能となりました。
 

二級建築士・木造建築士の受験資格と免許取得まで

 
二級建築士を受験できる人は以下の通りです。

  • 建築及び土木学科を卒業した方(それに類する方)
  • 建築設備士資格保有者
  • 7年以上の実務経験者(無資格で可) など

 
合格後、免許登録までに有する実務経験では

  • 大学、短期大学、高等専門学校卒業者は 実務経験無しで免許登録が可能
  • 建築設備士は実務経験が不要
  • 高校や工業高校などで建築、土木などの専門分野を専攻した方は卒業後2年の実務経験が必要
  • 建築、土木系以外の学科を卒業された方は7年以上の実務経験が必要

 
となります。
 

建築士試験の内容とは


 
建築士試験は学科と実技(製図)の2つの試験方から構成されます。
学科試験は例年6月ごろ、製図は二級建築士は例年9月ごろ、一級建築士は例年10月ごろ実施されています。
 
試験内容はどのようなものがあるでしょうか。
 

建築士試験の学科内容

 
一級建築士の学科試験は、計画、環境・設備、法規、構造、施工の5科目より構成されています。

これらの5科目はそれぞれの最低合格点が設定されており、例えば4科目が満点でも1つの科目が合格点を下回っていた場合、不合格になります。
 
二級建築士の学科試験は計画、法規、構造、施工の4科目で、合格基準は一級建築士の場合と同じです。
 

建築士試験の製図課題はどのようなものがあるのか

 
一級建築士、二級建築士の過去3年分の製図課題を紹介します。
 

一級建築士

  • 2021年 集合住宅
  • 2020年 高齢者介護施設
  • 2019年 美術館の分館

 

二級建築士

  • 2021年 歯科診療所併用住宅(鉄筋コンクリート造)
  • 2020年 シェアハウスを併設した高齢者夫婦の住まい(木造2階建)
  • 2019年 夫婦で営む建築設計事務所を併設した住宅(木造2階建て)

 
階数や面積、構造や法規などについては細かく指示があります。
 

建築専門外から一級建築士を目指すには

 
上記で紹介した通り、一級建築士試験を受験するにあたり必要な経験は、建築や土木関係の学校を卒業した人、または二級建築士や建築設備士として一定期間の実務経験がある人となります。
 
そのため、建築・土木分野(それに類する指定学科)以外の学校を卒業している人は、一級建築士の受験は難しいと言えます。
 
専門外の大学を卒業している場合は、一級建築士を一発で受験することが難しいため、二級建築士を目指してから一級建築士を目指すことが最短ルートでしょう。
 
二級建築士を受験するには、実務経験が7年必要となり、その後二級建築士として4年間の実務経験が必要です。
 
ここで間違いやすいのは最短11年で一級建築士になれるわけではありません。
 
7年の実務経験の翌年(8年目)に二級建築士を受験、合格、免許登録を行い翌年から二級建築士としての実務経験4年が必要となります。
二級建築士5年目で一級建築士登録を行えるので、免許登録までは最短で13年必要です。
 
ただし、二級建築士資格保有者は一級建築士の受験資格があるため、二級建築士を合格した翌年に一級建築士の受験が可能になります。
つまり、一級建築士の試験合格までの最短期間は9年間となります。
 
一級建築士の受験を考えている方は、木造建築士ではなく、二級建築士の資格取得をおすすめします。
 

一級建築士の更に上位資格が存在する


 
一級建築士資格では、どのような建物でも設計できると紹介しましたが、さらに「スペシャリスト」である2つの最難関建築士資格が存在します。

  • 構造設計一級建築士
  • 設備設計一級建築士

 
これらの資格はどのような資格なのでしょうか。
 

構造設計一級建築士とは

 
一定規模以上の建築物を設計する場合、一級建築士の適合確認ではなく、構造設計一級建築士の構造関係規定など、適合性の確認を受けなければなりません。
 
構造設計一級建築士とは一級建築士として5年以上の構造設計者としての実務経験が必要であり、難関資格となっています。
 

設備設計一級建築士とは

 
階数3以上かつ床面積の合計5,000平方メートル超の建築物を設計する場合、一級建築士の適合確認ではなく、設備設計一級建築士の構造関係規定など、適合性の確認を受けなければなりません。
 
設備設計一級建築士とは一級建築士として5年以上の構造設計者としての実務経験が必要であり、難関資格となっています。
 
このように、大規模建築物を設計する場合は多くのスペシャリストが携わり設計されているのです。
 

建築士を目指して建築と向きあおう


 
建築士は、指定学科を卒業していない方にとっては長い道のりです。
しかし、安藤忠雄さんやその他の有名な建築家も長い年月をかけ建築士を取得しています。
 
鳶や大工といった専門職の方も、設計や現場管理へ転向し、努力の上建築士を取得された方も大勢います。
 
建築士は夢のある資格です。
資格という夢や目標を抱いて、日々建築と向き合ってみてはいかがでしょうか。
 
 

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BUILD編集部

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