2023/08/07更新
一見地味でも超重要!基礎工事の役割や種類・工程について
仕事
建物の一番下にある、コンクリートの立ち上がりを基礎と呼びます。
一見地味な基礎ですが、建物の荷重を全て支えている基礎は建物の安全性を保つ上でとても重要な箇所です。
今回は基礎工事についての知識を、基礎の基礎から解説します。
目次
基礎の役割
基礎とは建物を支えている土台部分のことです。
建物と地面の間にあるコンクリート箇所のことを指します。
役割としては建物の自重を受け、その荷重を地面に分散させる役目を持っています。
もし建物に基礎がない場合どうなってしまうのでしょう。
建物は自重により次第に地面にめり込んでいってしまい、しまいには倒壊してしまいます。
また地震大国の日本において、基礎の強固さは重要です。
事前に硬い地盤がどこの深さにあるのかを調べ、掘削を行い、きちんとした基礎を作ることで例え大きな地震が発生しても倒壊のリスクは下がります。
どれだけ建物を強固に作ったとしても基礎がしっかりしていなければ意味がありません。
基礎はとても重要な箇所なのです。
この基礎を作る工事を「基礎工事」と言います。
基礎の種類
基礎の役割が分かったところで、次にどんな基礎があるのでしょうか。
基礎の種類やそれぞれの特徴は以下の表の通りです。
△杭基礎
△直接基礎
ここから特に工法の多い直接基礎について種類ごとに解説をします。杭基礎は今回は割愛させて頂きます。
独立基礎
独立基礎は基礎の中では最もシンプルな作りです。
一定の間隔で穴を堀り、そこにコンクリートブロックなどを据えて基礎とします。
ウッドデッキや小さな小屋など比較的軽量の建築物を作る際に採用されますが、地盤がしっかりした場所であれば住宅でも採用されることもあります。
最もコストがかからない工法です。
布基礎
布基礎は土台が乗る立ち上がり部のみに配筋をし、コンクリートを打設して基礎とします。
そのほかの面はそのままでも良いのですが、最近は地面からの湿度をさえぎるため、防湿用に無筋のコンクリートを流すことが多いです。
建物の自重が大きい場合や、土台に大引きを渡す在来工法の住宅に広く使われていますが、比較的硬い地盤が求められるため、この限りではありません。
ベタ基礎
布基礎は土台が乗る立ち上がり部のみに鉄筋コンクリートを使う工法でしたが、ベタ基礎はその他の面全体に鉄筋コンクリートを使う工法です。
線上の基礎で建物を支える布基礎に対し、ベタ基礎は面で建物を支えます。
面で支えるため荷重を分散させることから、比較的軟弱な地盤でも沈下が起こりづらいとされています。
2×4工法や置き床工法の住宅が多くなっている昨今では、主流の基礎となっています。
基礎全体に鉄筋を配すため他の基礎と比較してコストが掛かりやすい工法です。
基礎工事の工程
基礎工事の工程について、今回は一般住宅でよく採用される直接基礎に限定して解説します。
①遣り方、根切り
遣り方とは、基礎工事を行うにあたって、位置や高さを図面通りにするための基準を出す工程です。
レーザーなどの測量機器にて水平を出し、高さの基準を仮設の杭などに記します。
その後、基準に従い重機や手掘りで地盤を掘削していきます。
この作業を根切りと言います。
②転圧
根切り後、掘った底面に砕石を10cm程度敷き詰め、転圧機を使い転圧をしていきます。
この作業を行うことで荷重を分散させることができ、結果的に強度を上げることに繋がります。
③配筋、型枠
ここからコンクリート打設前の準備作業に入ります。必要強度を確保するため、あらかじめ検討した配筋図に従って、鉄筋を組んでいきます。
現場規模にも寄りますが、基本的に配筋は作業員による手作業のため、施工後の確認はとても大事です。
配筋が終われば、型枠を組んでいきます。
型枠とは固まる前のコンクリートを狙い通りの形状にするための型で、作業員により現場で組み立てます。
④コンクリート打設、脱型、仕上げ
型枠までが完了すればいよいよコンクリート打設です。
コンクリート打設は打設当日の天気や気温を考慮し、一番強度が確保できる日を検討します。
また、コンクリートは夏場は2時間程で硬化が始まってしまうので、打設当日は時間との勝負となります。
打設後は十分な強度を確保するため季節にも寄りますが、5日以上程度養生期間を設け、後日組んでいた型枠を外す作業を行います。
この作業を脱型と言います。
脱型後、表面のバリの除去などの仕上げを行い完了となります。
建物で重要なのは基礎!
今回は基礎工事について解説をしました。
基礎は建物以上に重要と言っても過言ではありません。
人によっては意外と軽視されることもある基礎ですが、災害が多くなってきている昨今の日本の状況を踏まえ、今一度基礎の重要性を再確認すべきかもしれません。
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