2023/03/09更新
何を着る?冠婚葬祭〜卒入学式などTPOに合わせる服装マナー
ファッション
結婚式、卒業式、入学式、葬式、式典など、様々なセレモニーに呼ばれると必要になる礼服。
しかしスーツしか持っておらず、スーツで行っていいのか?と悩まれる人も多いのではないでしょうか。
今回は、そんな素朴な疑問を解決!
冠婚葬祭時に恥をかかないために、TPOに合わせた礼服のマナーを知っておきましょう。
目次
礼服
礼服とは、結婚式や葬式などの冠婚葬祭全般で着用することができるフォーマルウェアのことです。
冠婚葬祭の行事にビジネスシーンで着るスーツを着用したり、ビジネスシーンで礼服を着用するのは、基本的にマナー違反となります。
礼服は主に正礼装・準礼装・略礼装の3つに分けられます。
出席する結婚式の格式や時間帯、立場などで着るべき礼服は異なってきます。
正礼装
正礼装は、最も格式の高い礼服であり、主にモーニングコートや燕尾服(テイルコート)、タキシードを指します。
主に主催者側が着る礼服であり、モーニングコートは昼間に開催する催しに、燕尾服は夕方(18時以降)からの催しのときに着用します。
モーニングコートは、前身の着丈が後ろを長く斜めにカットされ、後ろの着丈が膝まである独特なデザインが特徴的です。
燕尾服は、その名の通り後ろの裾が燕の尾のように2つに割れているのが特徴です。
「ホワイトタイ着用」とあれば、燕尾服着用という意味になります。
タキシードは準礼服に分類されることもありますが、近年では正礼服として選ばれることが多くなっています。
燕尾服の次に格式高い服装と言われており、白、黒、または濃紺のタキシードが正式なタキシードとなります。
襟元が特徴的で、ジャケットの長さはお尻部分が隠れるくらいの長さが正しい着こなし方となります。
「ブラックタイ着用」とあれば、蝶ネクタイのことを指し、蝶ネクタイにタキシードを着用するという意味になります。
- 昼:モーニングコート
着用する人:主催者または本人、新郎、新郎新婦の父親、喪主、入学・卒業式の教職員など - 夜:燕尾服、タキシード
着用する人:主催者、新郎、新郎新婦の父親
準礼装(セミフォーマル)
準礼装は、正礼装の次に格式の高い礼服であり、ディレクターズスーツやブラックスーツ、ファンシータキシードを指します。
主に結婚式の主賓や親族などの場合に着用する、ゲストの中では最も格式の高い服装です。
ディレクターズスーツは、昼の結婚式やに出席する場合に着る礼装です。
ブラックスーツなどよりも格調高く、上着が黒生地でテーラードタイプのジャケット、下は縞模様のスラックスであることが多くなってます。
わかりやすくいうと、モーニング用のズボンにブラックスーツのジャケットを合わせたような服装です。
ブラックスーツは略礼服にも分類されますが、準礼服として昼の結婚式に出席する場合や、昼夜問わず通夜や葬儀、告別式でも着用できます。
ビジネススーツの黒色よりも濃い、漆黒の色の上下スーツとなります。
ファンシータキシードは、夕方からの結婚式などに出席する場合に着る礼装です。
タキシードよりも略式のスタイルで、白や黒、または濃紺以外のカラーになるのがタキシードとの違いです。
- 昼:ディレクターズスーツ
着用する人:結婚式の主賓、親族、喪主、式典、授賞式の表彰者など - 昼・夜:ブラックスーツ
着用する人:結婚式の主賓、親族、一般参列者、通夜・告別式の親族、一般参列者 - 夜:ファンシータキシード
着用する人:結婚式の主賓、親族、パーティーの主催者、参列者
略礼装(インフォーマル)
略礼装は、主に結婚式や披露宴に招待された一般招待客の礼服であり、ダークスーツやブラックスーツなどを指します。
ダークスーツやブラックスーツは、礼装の中では最も一般的なものです。
一般的なスーツと略礼装はよく似ていますが、生地やパンツの裾、ジャケットの後ろのスリット(ベント)のデザインなどが異なります。
また慶事のブラックスーツと弔事のブラックスーツとでは色味が若干異なり、弔事の際のスーツの黒は光沢や艶などが出ない素材となっています。
- 昼・夜:ダークスーツ(ブラックスーツ)
着用する人:結婚式の一般参列者、通夜・法事・お別れ会の参列者
結婚式での服装
結婚式は、挙式、披露宴、二次会と、1日を通して行うことが多くあります。
また披露宴よりかは格式ばらず、二次会ほどカジュアルすぎない、会費制の1.5次会というスタイルもあります。
新郎・新婦の父親
近年では新郎新婦が主催者になってきていますが、基本的に結婚式の主催者は、新郎新婦の両親となります。
また、新郎新婦の友人が主催する二次会に参加することは少ない傾向にあります。
そのため、昼間に行われることの多い挙式や披露宴では、モーニングコートを着用し、二次会は参加しないことが多いでしょう。
もし招待されて参加する場合は、着替えることになります。
- 昼の挙式・披露宴:モーニングコート
- 夜の挙式・披露宴:燕尾服(テイルコート)
モーニングコートのジャケットは、拝み合わせの留め方でボタンを閉めます。
ネクタイは結び目の下を窪ませた「ディンプル」を作る結び方にすることで、見た目が華やかになるため、結婚式に向いた結び方です。
燕尾服の場合、ジャケットのボタンは開けて着用します。
イカ胸シャツ、ベストは襟のついた白色で、スラックスには側章(ズボンの両脇にある飾りライン)が2本、サスペンダーは白色となり、モーニングとはまた違ったスタイルになります。
親族・主賓
- 昼の挙式・披露宴:ディレクターズスーツまたはブラックスーツ
- 夜の挙式・披露宴:タキシード
ディレクターズスーツは、ジャケットのスタイルがモーニングコートとは異なるくらいで、着方や合わせる小物などは同じになります。
タキシードは、黒色の蝶ネクタイに、黒色のカフス、を合わせるのが一般的です。
シャツはプリーツの入ったもの、スラックスには側章が1本入ったものを着用します。
お腹・腰あたりに巻くカマーバンドは、ひだを上にして巻きます。
蝶ネクタイと同じ素材のもので、シングルジャケットを着用する際には必須となります。
カマーバンドをする際はベルトをせず、サスペンダーを使います。
参列者
- 昼の挙式・披露宴:ブラックスーツまたはダークスーツ
- 夜の挙式・披露宴:ダークスーツ
- 二次会:ダークスーツ
ブラックスーツやダークスーツは、ネクタイをシルバーやグレーの斜め縞模様し、ポケットチーフを入れて華やかさを出します。
ダークスーツは、黒やダークグレー、ネイビーなどといった暗めの色のスーツです。
一般的な結婚式で着用する場合は、ダークスーツよりもブラックスーツを着て行くのが無難ともいわれています。
葬式での服装
葬儀に出席する場合のマナーは、一般的に喪服を選びます。
告別式やお通夜など、参列するシーンによってはスーツでの参列も問題ありませんが、喪服のブラックスーツを1着持っておくといいでしょう。
喪主、近親者、親族
故人から三親等までは、正礼装を着用し、それ以外はフラックスーツが主流になってきています。
- 葬儀・告別式(昼):モーニングコート、またはブラックスーツ
- お通夜(夜):ブラックスーツ
弔事の際のモーニングコートは慶事のときの着方と異なり、ジャケットのボタンを普通に留めます。
ベストはジャケットと同じ素材の黒色で、白襟は外しましょう。
ネクタイは黒色の結び下げネクタイで、プレーンノットの結び方をします。
ポケットチーフに関しては、黒色のチーフを4つ角折りにするTVフォールド折りにしてポケットに挿すか、ない方が無難ともいわれています。
参列者
- 葬儀・告別式(昼):ブラックスーツ
- お通夜(夜):ブラックスーツまたはダークスーツ
弔事の場合、ネクタイや靴下などの小物は全て黒で統一します。
お通夜の場合は、急いで駆けつけたという意味も込めてダークスーツを着用しますが、光沢がないものを選びます。
また、靴下などの小物は黒で揃えるようにしましょう。
卒園・卒業/入園・入学での父親の服装
卒園・卒業式
あくまでも主役は卒園、卒業される子どもが主役で、教職員は主催者側となるので、正礼服となりますが、子どもの親は略礼服で問題ありません。
シャツは白や薄めの淡い色で、ネクタイは白やシルバー以外の落ち着いた色がいいでしょう。
入園・入学式
入学式も卒業式も、基本的に服装は同じです。
スーツの色は目立たないような無地の暗めの色で、シャツやネクタイは、清潔感があり爽やかな印象になるような色を選びましょう。
入学式の方で華やかさを少し出したいという場合は、ネクタイ柄とお揃いのポケットチーフを使うなどと工夫することも可能です。
お宮参り・七五三での父親の服装
お宮参り
お宮参りの場合、主役は赤ちゃんとなります。
赤ちゃんの服装に合わせて、家族全員が着用する服装のバランスを揃えることが重要とされています。
近年では、赤ちゃんが祝い着(産着)、母親が訪問着、父親がダークスーツというのが多くなっています。
主役の赤ちゃんよりも派手になりすぎず、清潔感のある服装にします。
黒色のネクタイは避けるようにしましょう。
七五三
お宮参りと同様、家族での服装のバランスを揃えるようにしましょう。
子どもとその母親が着物を着ているからといって、父親も和装で揃えないといけないということはありません。
子どもが着物、母親が訪問着やワンピースやスーツ、父親がダークスーツというのが主流になってきています。
TPOに応じた服装を着る
結婚式や葬儀、式典、卒業式や入学式、お宮参りなどは特別な意味を持つ日です。
正しい服装で参加することは、主催者や主役への感謝や敬意などの表れでもありますので、状況に応じて服装を整えましょう。
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