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2020/12/11更新

医療費が多くかかったら!申請しないと損する医療費控除を簡単解説

生活

 
年末になり、会社勤めの人は年末調整の手続きをした人も多いのではないでしょうか。

日本では所得税が控除される制度がいくつかあり、年末調整では控除された所得額に応じて、課せられる所得税を見直し、正しい金額に調整するために行われます。

しかし、年末調整とは別に手続きをしないと控除を受けられない、医療費控除制度があります。

医療費が一定の額を超えた場合に申請ができ、控除を受けられる制度のため、病院にかかることが多かった人は、申請しないと損してしまいます。

そこで今回は、医療費控除制度とは何か、申請基準や方法、必要書類などを簡単に紹介します。
 

医療費控除と他の制度

 
医療費控除の他に、セルフメディケーション税制や高額医療費制度も一緒に聞いたことがあるのではないでしょうか。
 

医療費控除とは

 
医療費控除とは、1月1日から12月31日までの1年間に、自分(本人)もしくは自分と生計を共にしている家族のために支払った医療費が、一定額を超えた場合に所得から控除を受けられる制度のことです。

医療費控除額は、支払った医療費を基に計算された額となるため、それぞれ異なる金額となります。

控除を受けるには、確定申告の提出または電子申告(e-tax)での申告が必要となります。

*国税庁 No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)
 

セルフメディケーション税制とは

 
2017年から始まった、医療費控除の特例制度です。

自分(本人)もしくは、自分と生計を共にしている家族が薬局等で購入した、特定の医薬品の合計額が1年間で1万2千円以上支払った場合に、所得から控除を受けられる制度となります。

医療費控除またはセルフメディケーション税制は、どちらか一方の申請となります。
 

高額医療費制度とは

 

高額医療制度とは、1日から月末までの1ヶ月間に、被保険者(本人)または、被保険者と被扶養者が病院や薬局で支払う金額が一定額を超えると、超えた分が戻ってくる制度です。

高額医療費制度は、会社などで加入している健康保険組合などに申請をします。

 

申請基準と対象となる金額

 

医療費控除を受けられるには、申請基準や医療費控除の対象になる金額が定められています。
 

申請基準

 
医療費控除を受けられる基準は、1年間の総所得金額が200万円未満の場合とそれ以上によって異なります。

*総所得金額とは、源泉徴収票にある「給与所得控除後の金額」欄に記載されています。

  • 総所得金額200万円以上の場合
    1月1日から12月31日の1年間に実際に支払った医療費が10万円を超えた場合に控除が受けられます。
  • 総所得金額200万円未満
    1月1日から12月31日の1年間に実際に支払った医療費が総所得金額の5%以上になった場合に控除が受けられます。

 
例1

給与所得控除後の金額が150万円の場合は

150万円 × 5% = 7万5千円

7万5千円以上の医療費を支払っていれば控除の対象となります。

 

医療費控除対象額

 
医療費控除の金額は以下の計算式から算出され、最高200万円までを所得から差し引くことができます。

実際に支払った医療費 ー 保険金などで補てんされる金額 ー 10万円もしくは総所得金額の5%

 

例2

総所得金額400万円で、支払った医療費が20万円、保険会社などから補てんされた金額が3万円の場合

20万円 ー 3万円 ー 10万円 = 7万円

医療費控除額は7万円となります。

 
医療費控除額は、その分が戻ってくるのではなく、課税対象となる所得から医療費控除額分が引かれることになります。

所得から医療費控除額分が引かれることにより、支払った所得税、住民税は払い過ぎとなるため、申告をすることで払い過ぎた分の税金が返還されることになります。

目安の還付金算出方法

医療費控除額 × 所得税率 = 所得の還付金(目安)
医療費控除額 × 住民税率(10%) = 住民税の還付金(目安)

 
※ 返還されるべき払い過ぎた税額のことを還付金と言います。

例2の場合、総所得金額は400万円なので、所得税の税率は20%*、住民税は10%となります。

医療控除額が7万円となると、所得税率20%にあたる1万4千円が所得税の還付金額となり、戻ってきます。
また住民税は一律10%となるので、7万円の10%にあたる7千円が住民税から減額されることになります。

合計すると2万1千円分も節約できる計算となります。

* 所得税の税率は、総所得金額によって異なります。詳しくは以下から確認してください。
*国税庁 No.2260 所得税の税率
 

申請方法


 
申請方法は「医療費控除の明細書」を所得税の確定申告書に添付して所轄税務署に提出します。
医療費控除の明細書はパソコンやスマートフォンで作成することができ、作成後そのまま送信、または印刷して税務署へ郵送することもできます。
 

申請に必要な書類

 
通常確定申告の必要のない一般的な会社員が、医療費控除を受けるために確定申告をする場合、以下の書類が必要となります。

提出書類

  • 確定申告書(申請書A)
  • 医療費控除の明細書
  • (健康保険の医療費通知)
  • 源泉徴収票

 

確定申告書は、国税庁のホームページよりダウンロードして郵送する方法や、e-Taxを利用してパソコン上やスマートフォンから申請する方法などがあります。

e-Taxの場合、確定申告書や医療費控除の明細書などは以下から作成でき、医療費控除の明細書の内容が自動で確定申告書に反映されます。ただし、e-Taxを利用する場合、事前準備が必要となります。
*国税庁 「確定申告書等作成コーナー」作成コーナートップ(e-Tax)

健康保険の医療費通知がある場合は、添付することで医療費控除の明細書の記載を簡略化することができます。加入している健康保険組合などで発行しているか確認する必要があります。

 
また書類申請後、保管しておかなければならない書類があるので注意しましょう。

  • 医療費の領収書
  • 源泉徴収票(平成31年(2019年)4月1日以降)

 
医療費の領収書は、平成29年(2017年)以降、書類提出時の添付の必要がなくなりました。

ただし、記入欄にある「医療費の明細」の内容を確認するため、税務署から領収書の提示又は提出を求める場合があります。
そのため確定申告期限から5年間は、領収書を自宅で保管する必要があります。

平成31年(2019年)4月1日以後、源泉徴収票については確定申告書申請時に添付や提出する必要がなくなりました。
しかし、書類作成時や税務署へ行く場合に必要となるので、保管しておく必要があります。
 

申請書の作成手順


 
準備するもの

  • 医療費の領収書
  • 源泉徴収票
  • 保険金などで補てんされる金額の分かるもの
  • 身分証明書
  • マイナンバーカード
  • 銀行口座情報
  • 印鑑

 

  • 手順1
    1月1日から12月31日までにかかった医療費、治療のための薬代、通院のために支払った交通費など、かかった費用をまとめておきます。
    また、保険会社等から支払われた保険金などがある場合も、まとめておきます。
  •  

  • 手順2
    医療費控除の明細書を作成します。

    *国税庁 医療費控除の明細書の書き方など(医療費控除の明細書様式)

  •  

  • 手順3
    確定申告書Aを作成します。

    確定申告書の様式は、以下のページにある「3 確定申告をする場合に使用する申告書の種類」からダウンロードできます。

    *国税庁 No.2020 確定申告

 

申請期間

 
所得税等の確定申告の期限は、2月中旬から3月15日ごろまでに申告、納税が必要となります。

しかし、通常確定申告書を提出する義務がなく、医療費控除のために申告を行う場合は、還付申告という申告になります。

還付申告書の申請期間は、確定申告期間にかかわらず、翌年の1月1日から5年間提出できます。
 

申請対象の費用

 
医療費控除の対象になる費用と、そうでない費用があります。
どのような費用が対象になるのか、医療費控除の明細書作成の前に必ず確認しておきましょう。

対象になる費用例:

  • 病院や歯科医院で受けた治療費
  • 治療に必要な医薬品代
  • 通院などでかかったバスや電車などの交通費
  • 治療のためのマッサージ、はり、きゅうなどの費用
  • 治療上で依頼した世話の費用

 
 
対象外になる費用例:

  • ビタミン剤や常備薬など、病気の予防や健康促進のための医薬品代
  • 通院などでかかった自家用車のガソリン代
  • 差額ベッド代
  • 疲れを癒したり、体調を整えるためのマッサージ等の費用

 
 
その他、歯の治療や出産費用、入院費用などで対象となる具体例は、以下で確認してください。

*国税庁 No.1122 医療費控除の対象となる医療費
 

今から準備をしておこう!

 
医療費控除は、申請に5年間の猶予がありますが、レシートや領収書など、普段捨ててしまいがちな書類の保管、整理が必要となってきます。

レシートの保管や申請が面倒…と思ってしまいますが、税金が戻ってくる医療費控除を申請しない手はありません!

年初めから医療費や特定医薬品購入時のレシートを保管しておき、交通費などもメモを取っておくことで、スムーズに申請書類を作成することができます。

突然かかってしまう医療費なので、専用のメモ帳やファイルを用意するなどして、今から準備をしておきましょう!
 
 

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BUILD編集部

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