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2020/08/12更新

工事現場で活躍しているロボット達とは?工種別にまとめてみた

仕事

近年では工事現場の作業員の高齢化が進み人手不足が深刻化しています。
2025年までに全体の30%にあたる128万人の雇用減少が見込まれています。

政府はこうした事態の対応策として【i-constrution】を掲げ、それに伴い建設業界各社もロボット開発に力を入れています。

実際に現場で活躍しているロボットにはどのようなものがあるのか?

工種別にまとめてみましたのでご覧下さい。
 

ロボットの紹介

 

溶接工事

溶接工事は鉄骨造の構造躯体をつくる工程で最も重要な現場施工となります。

基本的に溶接作業は有資格者が行いますが、職人の経験年数や熟練度によって品質が左右されてしまう難しい作業でもあります。

そこで開発されたのが溶接ロボットであり、高い品質と短時間での施工が可能で、人の施工では困難な部位などの施工も実現してくれるとても優れたロボットです。

大手ゼネコン各社の技術力をもって、様々なロボットが開発されています。
 

清水建設 溶接ロボット(Robo-Welder)

清水建設が開発したロボット。
主に鉄骨柱の溶接をするロボットで、溶接したい場所まで人が移動してセットをすれば、後は作業完了まで完全自動で溶接をしてくれる優れたロボットです。

シンプルな外観と装備が近未来的で、整然とロボットが働く次世代の工事現場をイメージさせてくれます。

出典:清水建設㈱
 

鹿島建設 溶接ロボット

鹿島建設が開発したロボット。
『作業の半分をロボットと』をコンセプトに造られたロボットで、高い品質・繰り返し作業・苦渋を伴う作業などを人に変わって受け持ってくれます。
施工したい箇所への設置は人力で行う必要がありますが、溶接作業自体は全てロボットが施工します。

柱と梁の仕口部や、梁の下フランジ部などの施工しにくい部分の施工も行うことができ、人の作業ではほぼ不可能とされていた上向溶接もできることで、施工品質・作業効率共に大幅な向上を実現しています。

出典:鹿島建設㈱
 

大林組 鉄骨溶接ロボット

大林組が開発したロボット。
こちらも鹿島建設同様にオペレーターがロボットを稼働させながら作業を進めるタイプのロボットです。
上向溶接も可能な高い施工品質と溶接技能者の1.5倍の速度で作業を進めることができるので省人化を図れる優れものです。

出典:㈱大林組 
 

耐火被覆工事

耐火被覆の吹付工事は鉄骨躯体に耐火性能を持たる為に重要な工事です。

しかしながらその作業環境は過酷で、マスクをしていないと鉱物繊維を吸引してしまい、人体にも悪影響を及ぼします。

また、雨合羽やフード付のヤッケ等で体を覆って作業をしますが、被覆材の繊維が首元の隙間から入り込むと、体のあちこちがチクチクして非常に不快感があります。

全体に人手が不足している建設業界の中でも、特にこの工種については人手が不足しているというデータがあり、作業員確保の必要性に応じてロボット開発が進められた経緯があるようです。

この先更にロボットの開発が進めば、全ての作業をロボットだけで行い、人はチェックだけするといった理想的な現場環境になることを期待したいと思います。

ゼネコン各社で実際に現場で活躍しているロボットをまとめましたのでご覧下さい。
 

大和ハウス工業 耐火被覆吹付ロボット

大和ハウス工業が開発したロボット。
このロボットは(ロボットアーム+走行車台+昇降台)を組み合わせた構成となっています。

プラントで人が被覆材を造り、それをロボットに送り、ロボットが自動で吹き付けるといった流れになります。

吹付の作業を自動化をすることにより施工効率が向上し、工期を20%程度短縮できます。

完全の自動化とは行かず(プラント管理1名)(ロボット操作、仕上、検査1名)の計2名の人員が必要ではありますが、従来施工に必要な人員3名より1名削減することができます。

出典:大和ハウス工業㈱ 
 

大林組 耐火被覆吹付ロボット

大林組が開発したロボット。
あらかじめ登録した作業内容のデータに従って場内を自走し、全自動の施工を実現した耐火被覆吹付ロボットです。

このロボットの優れたところは、横幅の施工範囲が人の作業する範囲の2倍となっているため、移動回数を減らし広い範囲の施工をすることが可能になっています。

また、ロックウールを吹き付ける際に飛散する量を7割も抑えることができる飛散防止ノズルを搭載しているため、作業環境も各段に改善しています。

作業効率の向上に伴い省人化を図ることができ、施工環境にも配慮された優れたロボットです。

出典:㈱大林組
 

コンクリート工事(床仕上げ)

コンクリート床の金ゴテ仕上げができるロボットの紹介です。

コンクリート床の金ゴテ仕上げ工事は、生コンの打設を終了してから更に時間を必要とする作業です。

夏場は気温が暖かいのでそれ程時間がかかりませんが、冬場は気温が低いため、深夜まで作業が及んでしまうこともあります。

夏の酷暑や冬の寒い夜間作業などの著しく作業環境が悪くなる場合もあり、作業員への負担も大きい工種と言えます。

作業工程は【均し→1回仕上げ→2回仕上げ】の作業手順となり、ロボットはその中の【仕上げ】の部分を人に代わってに施工してくれます。

面積が大きい現場ほどロボットの効果は大で土間工の負担を軽減することができます。
 

大成建設 コンクリート床仕上げロボット

大成建設が開発したロボット。

オペレーターがコントローラーを操作して、1度現場の形状に合わせたルートを走行すると2回目以降はロボットが走行ルートを記憶し、自動でコンクリート床の金ゴテ仕上げを行ってくれる優秀なロボットです。

障害物等も回避しながら広い面積の床仕上げができるので、土間工の労働環境を改善し省人化を進めることができます。

出典:大成建設㈱
 

鉄筋工事

鉄筋工事の結束を自動で行てくれるロボットの紹介です。

鉄筋工事全体の作業工程の内【結束】の作業は20%を占めます。
また、スラブ筋の結束作業においては足元の悪い場所でしゃがんで作業をする為、足腰に対する負担も大きく、地道な繰り返し作業となる為ある程度の人員を配置しなければならない作業です。

コンクリート打設前の鉄筋工事は、壁の差し筋や、かぶり厚の確保などの品質に関わる項目をチェックをしながらの作業となる為、単純作業をロボットに任せられるのは実に効果的であり省人化が見込めます。

夏場の炎天下などでは熱中症などの労働災害に繋がりやすい作業でもある為、労働安全衛生面でも効果が期待できそうです。
 

大成建設 鉄筋結束ロボット(T-iROBO Reber)

ロボットの重量は20kg程度とそれほどの重量もなく人が持ち運ぶことができます。

鉄筋の上をロボットが車輪で自走し次々と鉄筋を結束していきます。周囲の障害物は2種類のセンサーで感知して自動で避けながら円滑に作業を進めてくれます。

規則正しくサクサク働く姿を見ていると安定感を感じます。
人が施工するよりも遥かに早く、抜けや落ちといったヒューマンエラーを起因とした施工不良の削減も期待できそうです。

出典:大成建設㈱
 

石膏ボード工事

内装工事の石膏ボードビス止めを自動で行ってくれるロボットの紹介です。

天井や壁の石膏ボードのビス止め施工手順は(仮止め→規定ピッチでビス止め)という流れで施工して行きます。

使われるビスの本数はアパート1棟あたりで約15000本にもなり、地味な作業ではありますがかなりの時間と労力が必要となります。

また、天井ボードのビス止めには脚立での作業が必要となり、作業効率の低下や転落事故といった労働災害のリスクが高い作業です。

その様々な問題を解消する為に開発されたのがこのビス止めロボットになります。

内装工事をする大工の労働災害防止・作業負担の軽減に大きく貢献しています。
 

大東建託 ビス止めロボット

大東建託が開発したロボット。

このロボットは天井や壁の仮止めされた石膏ボードのビス止めを自動で行います。

操作はタブレット端末を使い、あらかじめ部屋のタイプをシステムにセットしてロボットを起動させれば、あとは自動で1部屋分のビス止めを完了してくれる賢いロボットです。

アパート1棟あたりで4.5人工の省人化が図れるため、現場の大工の負担も大きく軽減され労働災害の発生率を抑えることができます。

本体の重量は180kgとまずまずの重さがありますが、4つのパーツに分解することができます。

2人掛りで運搬をすることが可能で、組立て時間はわずか15分で完了できるので、時間的な負担もありません。

出典:大東建託
 

建設ロボットは職人の助けとなるか

完全自動のロボットや人が介在して作業を進める半自動のロボットまで様々なロボットがありました。
こうしたロボット達のサポートを受けながら共同して作業をすることができれば、高齢になった職人さんたちもリタイアをしないで今後も仕事を続けていけるという希望が見えてきます。

昔から建設現場は3K(きつい・汚い・危険)と認識されてきましたが、こうした過酷な労働環境をロボットが担ってくれることで、今までとは違ったイメージの建設業が造られて行くのかもしれませんね。

今後は一体どんなロボットが誕生してくるのか考えると楽しくなってきます。

AIの導入と技術の進歩に更なる期待をして行きましょう!

 
 

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BUILD編集部

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