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2022/03/29更新

足場工事の見積と施工の注意点や監督者と打合せするべきこと

仕事

 
ほとんどの工事現場で使うといっていい工種である仮設足場工事。
重労働で危険も多い上に、意外と繊細な調整も必要となる仕事です。

足場の設置は、工事現場全体の進行に大きく影響するため、様々な段階での注意が重要になってきます。

仮設足場工事の見積り時や現場施工時の注意点、現場監督との打ち合わせで何を決めておくべきかについて、解説していきましょう。
 

見積時の注意点

施工範囲や仕様


 
見積もり作成のための現地確認の際は、元請など発注者の担当に立ち会ってもらいましょう。

基本的な確認事項としては、足場をかける範囲、数量、高さなどはいうまでもありません。
当然ながらアンチ(踏板)の幅、昇降階段なのか、スロープなのか、その数量によって金額は変わってきます。

ほかにも、

  • 壁からの離隔距離について
  • 屋根面の足場やステージは必要か、必要な場合の位置や面積などの仕様
  • 下屋根などがある場合、その上に足場を立てていいのか
  • 養生はどうするか
  • 破損の可能性の念押し
  • 施工中の架け替えが発生するか

 
などを確認します。

また、アンチは通常グレーチングのような網目になっていますが、釘やゴミなどを落とさないようにベニヤを敷き詰めることもあります。

壁面ではそれを立ち上げる仕様にして足場を組んだり、メッシュシートの有無やその範囲の確認も必要です。

現場や建物の種類によって様々な違いがあるので、現場を見極めて見積もりをしなければなりません。

工期によっては、施工時のトイレ使用の確認もしておいたほうがいいでしょう。

ほとんどの場合は仮設トイレがありますが、工期が短い修理メインなどのケースでは、施主のトイレを借りることも考えられます。

もちろん、設置から撤去までの期間の予定を確認しましょう。

これらの内容をおおよそ把握することで、設置時、撤去時の人工数を割り出して見積もりに盛り込みます。


 

搬入


 
現場によって搬入経路は様々です。

道が狭い場合、搬入トラックが入れるかどうか、通れたとしても、荷降ろしできる停車スペースの場所により、人力運搬がどの程度の距離になるかの確認が必ず必要になります。

足場材の量にもよりますが、搬入トラックは少なくとも4tトラックが通行できる幅があり、カーブできるか確認しましょう。もちろん、ロングタイプのトラックでも想定しておくと安心です。

ユニック車などの重機を使うときも同様です。
数字上は通れるのに、枝や電線にかかってしまうというトラブルはよく起こります。

道が広い場合は、搬入自体は問題ないとしても交通量が多く、搬入のために停車ができるか、警備誘導員などの指示があるかといった、搬入に関する可能な時間帯などを事前に把握することも大切です。

また、設置時と撤去時とで環境、条件が変わるケースもあります。
工事の目的、種類、建物、現場状況などから推測することも可能ですので、自分から問いかけて、わかる範囲で把握しておきましょう。


 

施工時の注意点

安全面、近隣への配慮や災害


 
現場施工の直前には、現場監督者と現地打ち合わせを行うことがほとんどになります。

見積時と比べれば、現場環境も施工計画内容も工期もすべて具体的に決まっていますので、安全面も含めトータルな内容が明らかになります。

安全面ではヘルメットの着用は当然としても、安全帯の着用や緊急時の対応、検査体制、査察の予定などを確認しましょう。

足場の掛け払いにおいては、単管の打音などの騒音が出ます。
また実際の施工時には地面・空中に関わらず、隣地へのやむをえない一時的な越境が必要なケースもあります。

近隣への配慮や対策で、作業時間帯なども注意しなければなりません。

さらに、災害時の対応も明確にしておきましょう。

例えば台風シーズンのタイミングですと、強風で煽られ足場が倒れるなどの事故が考えられます。

実際に毎年のように台風などでの事故が起こり、中には死亡事故という重大なケースも少なくありません。

全ての足場を一時的に撤去するというのはよほどのことだとしても、風を受けやすいメッシュシートははずすか片側にまとめる、あるいは一部の足場を撤去するなどということは十分ありえます。

その際の作業費用の負担も決めておかないと、後で揉める可能性がありますし、立場が弱い下請けのほうが全額負担しなければならないケースも少なくありません。


 

記録を残す


 
監督者との打ち合わせによる追加、変更点などが発生した場合には、都度記録を録っておくようにしましょう。

追加や変更による増額、減額などが発生するしないに関わらず、忘備録としても必要になります。

また、できるだけ現場の画像を撮影しましょう。
施工時と撤去時とで相違がないか、確認が必要になるケースがあります。

工事が終わったら破損していたという箇所があった場合、責任の所在が問題になります。
同じ責任を負うにしても、自分の責任であるという確信があってのことと、あいまいな場合とでは納得感が違います。

念のため搬入・積載時から画像を残しておいたほうがいいでしょう。

工事完工後、施主から元請などを通じて施工写真を求められることがあります。
通常は監督者が撮影しているのでマストではないものの、監督者も全てカバーできるとは限りません。

職人に「こんな写真て撮ってたりしないかな」と助けを求める監督者も少なくありません。そんなときに助けることができれば、今度はどこかで困ったときに自分が助けられるでしょう。


 

信頼とリスク

 
仮設足場工事は建設現場において必ずと言っていいほど必要で、しかもほとんどの工種の職人さんが使うものでもあります。

とりわけ外壁や屋根の工事では、そのスピードや作業内容を左右するほど重要な工程です。

監督者やほかの職人さんに信頼される仕事を続けるために、リスクを最低限に抑える段取りを身につけましょう。
 
 

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この記事を書いた人

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