2023/01/18更新
橋梁工事をわかりやすく解説。街を支える橋の架け方と工法
仕事
陸から陸へと渡す橋は、生活の幅が広がるという意味でも私たちの生活に欠かせないものです。
インフラ設備に非常に重要な橋の工事を橋梁(きょうりょう)工事と言いますが、様々な工法が使われています。
今回は、橋梁工事とはなんなのか、その工法などを見てみましょう。
橋梁工事とは
橋梁とは、道路・鉄道・水路などの経路での輸送時に、障害となる山や川などをスムーズに横断できるようにするために建てられる構造物の総称です。
一般に橋と言われますが、桁橋、吊り橋、アーチ橋、ラーメン橋など、様々な橋があります。
橋梁工事とは、文字通り橋を架ける工事のことです。
中でも、高速道路などに用いられる「高架部」の工事は、大きく分けて2つの工程で作られています。
橋の土台を作る下部工では、地中で橋を支える「基礎」という部分を築き、橋脚を据え付けます。
また高架本体を作る上部工では、橋脚に橋桁をのせ、その上に道路を作ります。
橋梁工法の種類
ベント工法
橋梁工事において、最も一般的な工法です。
短い工期で施工することが可能であり、公費が安いという点でも多く採用されています。
上部工をベント(仮受構台)で支えつつ、移動式クレーンで架設します。
ケーブルエレクション工法
桁下が流水部、谷部などのベント設置が難しい場所で、両岸に鉄塔やアンカーの設置が可能な場合に用いられる工法です。
鉄塔設備を移動式クレーンなどで組み立て、 架設用の吊り設備を組立てた後、鉄塔から張ったケーブルで、架設部材を吊り下げながら架設します。
対風設備が必要であり、架設時の強度計算、形状管理など、高度な技術が必要となってくるため、難度の高い工法です。
送り出し工法
流水部、道路、鉄道などで、桁下にベントが設置できない場合に用いる工法です。
架設現場に隣接して、架設機材と手延機を組み立てる場所が確保する必要があります。
仮設備が比較的多く必要になり、またその分工期も長くなる傾向にあります。
トラベラークレーンベント工法
流水部など、桁下にトラッククレ―ンが設置できない場合などに用いる工法です。
桁上にトラベラークレーンの走行軌条設備を設置し、運搬台車にて架設部材を運搬します。
桁の架設とトラベラクレーンの前進を繰り返し、架設をしていきます。
比較的工期が長く、仮設備も多く必要となってきます。
ほかにも架設時の応力状態や、たわみなどの影響を考慮した架設計画が必要であり、熟練の作業員を要します。
フローティングクレーン工法
工場岸壁や現場近くで大ブロック組立てをした部材を河口・海峡にある現地へ運搬し、フローティングクローラクレーンで橋体を一括架設する工法です。
橋桁の支持を必要としないものであり、大ブロックでほぼ完成に近い状態で架設するため、工期が短いのが特徴です。
私たちの生活を支える橋
橋を架けることは、街と人を繋げ、より発展した地域づくりの役割を担っています。
長く使われる橋だからこそ、未来を見据えてより強度な橋作りが求められていきます。
災害の多い日本だからこそ、インフラ設備は非常に重要なものです。
クオリティの高さを求められる橋梁工事は、未来への架け橋となる重要な役割を持っています。
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