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2023/07/03更新

地盤改良はしないとダメ?知っておきたい地盤改良工事のこと

仕事

 
施工管理を任される際に、地盤改良工事を任される場合があります。

建物を建てた後に地盤沈下などで沈み込んでしまわないように、地盤調査を行うのはもちろんのこと、建てている最中の作業員の安全確保の意味なども含めて、地盤改良は非常に重要な事柄です。

しかしながら地盤改良工事の施工管理者になるのに資格は特別必要ではなく、未経験でも求められることもあります。

今回は、地盤改良工事とはどのようなことをするのか、またどんな工法があるのかを解説します。
 

地盤改良工事とは

 
免震構造の建物など地震に強い建築を作っても、そもそもの地盤がしっかりしていなけば建物全体が歪んでしまったり、地盤沈下の原因になる場合もあります。

そういったことが発生しないように、地盤の強度を調べる地盤調査を行い、地盤を強固にする地盤改良工事が施行されます。

地質調査は法律で義務化されているわけではありませんが、住宅瑕疵担保履行法(じゅうたくかしたんぽりこうほう)が施行されてからは、基本的に地盤調査が行われます。

*参考:国土交通省 住宅瑕疵担保履行法について

また地盤調査にも種類があり、一戸建てであればほとんどの場合が「スウェーデン式サウンディング試験」であり、これは建物の四隅と中央の計5カ所の強度を調査する方法です。

マンションなどの3〜4階建ての建物を建てる場合は、建物そのものの重量があるため、地盤の強度を地質から調べる方法の「ボーリング調査」が行われます。

地盤改良工事の施工管理者には特別な資格は必要ありませんが、正しい知識がないと地盤の軟弱層の起伏次第では杭が届いていない場合など、作業中に危険が及ぶ可能性もあります。

安全な地盤であるかを把握し、改良を行うことは工事を行う自分たちのためでもあるのです。
 

地盤改良工法


 
地盤改良工事の工法は数多くありますが、主に3つの工法があります。
 

表層改良

 
深さ2mほど土を掘りながらセメントなどの固化材を入れて、土と強固材を混ぜ合わせることで地盤を強固にする方法です。

改良地盤が小さく、軟弱地盤が浅い場合なら安価で改良工事を行うことができ、強度維持も可能な工法です。

しかし施工者のスキルによって強度にムラがあるなど、不同沈下の原因にもなりやすいです。
 

柱状改良

表層改良工法で強度を出すのが難しい地盤の場合、コンクリートを円柱状にした杭で建物を支えます。

敷地に碁盤の目のように規則正しく柱を注入していきます。

一戸建てはもちろん、ビルやマンションなどでも多く用いられる工法です。

柱状改良工法は、改良工事後の地盤強度を長く維持することができる工法ですが、地盤内部の原状復帰が難しく、多大な費用が発生します。
 

鋼管杭工法

 
柱状改良工法と同じ要領で、コンクリートの柱の代わりに鋼管を使用し、地中から建物を支えます。

3階建て以上の重たい建物でも支えられるので、杭工事として安心できます。

一方で、騒音や振動が大きく、コストも高いという問題のほかに支持層がない地盤では施工することができないという点でも、限られたところでしか行えない工法です。
 

施工管理を行うなら知っておきたい地盤改良

地盤改良工事の施工管理者になった場合、安全性が確保された地盤改良工事の提案のほかにも、土地に合った工法やコスト削減について考え提案するのも重要です。

全員が安心して施工が行える提案ができるように、十分に理解しておきましょう。
 
 

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