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2023/05/09更新

珪藻土って危険なの?知っておきたい珪藻土の基本とその特徴

仕事

 
2020年12月、珪藻土のバスマットにアスベストが含まれているといったニュースが話題になったのを覚えていますか?

日本では労働安全衛生法によってアスベスト(石綿)の基準値を設定しており、それを超える量のアスベストが検出されたため、各社で自主回収の発表が相次ぐという内容でした。

珪藻土バスマットは吸水性も高く、一般家庭でも広く使用されていたこともあり、処分方法も難しく驚いた方も多かったようです。
 

▽アスベストについてはこちら▽


 

住宅建築素材として使用されている珪藻土ですが、一連の話題で珪藻土が危険なのでは?と思っている人も中にはいるようです。

今回は、正しい珪藻土の知識を確認していきましょう。
 

珪藻土とは


 
珪藻土とは、珪藻(ケイソウ)という名の藻の一種である植物プランクトンの殻の化石よりなる堆積物(堆積岩)です。

主に火に強い土として耐火レンガなどに利用されるほか、建材や塗り壁材としても利用されています。

これは珪藻土に空いている無数の小さな穴により、湿気を自動で調整することができます。
その小さな穴の数は木炭の5,000〜6,000倍と言われています。
 

珪藻土の持つ特徴

調湿できる

珪藻土の最大の特徴は、湿度の状況に応じて湿気を吸収したり放出したりすることができることです。

これを調湿と言います。

人間にとって快適な湿度は40〜60%程度であると言われており、珪藻土は調節しなくても自動でこれらを保ってくれます。

調湿をする素材として漆喰も例に挙げられますが、より調湿精度が高いのは珪藻土の方でしょう。

これらの特徴から塗り壁材として採用されることも多く、カビ対策にもなるとして優秀な素材でもあります。

吸水性も高いのも新しいバスマットとして人気を集めた理由の一つです。
 

耐火性・断熱性

 
珪藻土の融点は約1,250度と、熱に非常に強いのが特徴です。

その特徴から、住宅建築素材のほかに七輪コンロや断熱レンガとして利用されてきました。

また主成分である二酸化ケイ素は熱伝導率が低いこともあり、燃え広がりにくいので、火事が起こった場合でも被害を最小限に止めることができます。
 

凝固剤の影響を受けやすい

 
珪藻土は単体では固まらないので、セメントや合成樹脂などの凝固剤を混ぜて使用することがほとんどです。

凝固剤の比率が多いと、珪藻土の吸水性や耐火性などの効果も薄まってしまいます。

珪藻土の含有量が多いものを選ぶようにしましょう。
 

なぜ珪藻土バスマットにアスベストが含まれるのか?


 
珪藻土とアスベストは別の素材であり、珪藻土にアスベストは含まれません。
つまり、珪藻土自体が危険ということはありません。

しかし前述したように、珪藻土はそれ単体では固まらず強度も足りないため、凝固剤が必要となります。

珪藻土バスマットは、その補強材にアスベストが使用されているということで話題となりました。

アスベストに対して規制のない中国が原産国の珪藻土バスマットが、日本で一般流通していたために、各社が商品を回収する事件へと発展しました。
 

正しい知識を覚えよう

 
珪藻土という言葉が一人歩きしていますが、それそのものに有毒性はありません。

労働安全衛生法によりアスベストの使用が制限されている日本で製造されている珪藻土バスマットは、安心して使用してくださいね。

正しい知識を覚えて、珪藻土の特徴を理解しておきましょう。
 
 

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