2022/01/21更新
板金工事の注意点!職人が現場出張で気をつけるべきこと
仕事
外壁や屋根など、防水に使われることが多い板金工事。
指定された既製品を使うこともあれば、コイルなどを加工するケースもあります。既製品の場合でも、役物関係は加工しなくてはならないこともありますね。
また、板金工事は公共工事や特殊分野の工事で現場に行くことも多いです。
例えば寺社建築では、工務店が広範囲で受注しているため、県境をまたいで現場に行くこともしばしば。
出張期間は数日から、長いと数ヶ月に及ぶこともあります。
板金職人が現場出張前に注意することや、作業時に気をつけることを考えてみましょう。
現場出張前に気をつけたいこと
現場が遠方の場合、準備や確認することが色々と多くなります。
何度も仕事をして慣れている元請や監督でも、その時その現場の事情があるものです。
最低限の条件は決めておくといいでしょう。
特に、お金に絡むことはしっかりと考えておきましょう。
経費面
現場が遠くなれば、当然移動経費や時間がかかります。
ガソリン代、高速道路料金、乗り合わせていくのか、現地集合か…など、事前に元請や監督と打ち合わせ、金額や処理方法などを決めておく必要があります。
細かいことですが、移動時間が作業時間に含まれるのかを確認したり、集合時間を調整してもらうなどの対応も必要になります。
また、出張エリアと時期によっては、チェーンやスタッドレスタイヤなどの特別な装備が必要な場合もあります。こちらも考慮して、打ち合わせや見積もりに入れなくてはなりません。
食費を経費に入れるかどうかは会社によって分かれるところです。朝と晩の分は日当という形で出すこともあります。こちらも確認しておきましょう。
- ガソリン代または交通費
- 移動時間または集合時間
- 特別な装備の費用
- 食費
宿舎
出張先での宿舎は、大きく分けて2つのパターンがあります。比較的短期の場合はビジネスホテルや旅館、長期の場合は賃貸アパートや借家を選びます。
いずれの場合でも、誰が手配し、支払い・清算するのかを決めておかなくてはなりません。
たいていは元請が用意する場合が多いのですが、宿舎についてはトラブルが発生しやすいポイントでもあるので、注意が必要です。
宿舎① ホテル・旅館の場合
ビジネスホテルや旅館の場合は、駐車場さえはっきりしていれば問題は起こりにくいですが、相部屋だけは避けたいところです。
人によりますが、共同生活でストレスがたまったり、いびきがうるさくて睡眠不足になるなど、仕事に差し支えることがあります。
また、洗濯機の有無も確認しておきましょう。コインランドリーがあるかないかで出発時の荷物の量が変わってきます。
- 駐車場
- 相部屋か個室か
- コインランドリーの有無
宿舎② アパート・借家の場合
賃貸物件を借りる場合は、まず電化製品について確認しておきましょう。
各部屋に空調があるとは限りません。その他の電化製品についても、何が置いてあるのかわかっていた方が準備がしやすいです。
駐車場についても確認が必要です。
1台分の駐車場しかない場合、2台目以降はどうするか、パーキングを利用する場合は経費をどうするか、考えておきましょう。
またアパートや借家は賃貸借契約が発生することから、敷金、礼金、退去時の費用などで少々煩わしくなるので、併せて確認をすると安心です。
- 空調設備や洗濯機、冷蔵庫などの家電製品の有無
- 駐車場の数と料金
- そのほか敷金、礼金など
板金作業時に気をつけたいこと
板金作業は仕上げにかかわることが多いものです。作業承認には監督と施主の納得も必要です。もちろん安全面、作業環境にも配慮しなければなりません。
作業時の注意点を見ていきましょう。
現場作業に入るまで
- 車両置き場
まず注意すべきは、車両置き場です。
駐車場が広いところばかりとは限りません。他の工種の職人さんと重なれば駐車場がいっぱいで停められないこともあります。
導入経路の道が狭いというトラブルもあり得ます。その前に重機などが入っているような現場であれば問題ないでしょうが、狭い道で車を当てたり擦ってしまうと、近隣トラブルとして報告しなければなりません。
現場周辺の状況に合わせて、前もって車両を選びましょう。
- 加工スペース
十分な加工スペースが確保されているかも確認しましょう。
板金工事では、程度の差はあれ現場での加工作業が発生します。車両内で加工するにしても音が出ますから、そこで作業していいのか確認が必要です。
- 車両置き場・駐車場の広さ
- 導入経路の広さ、道幅
- 加工できるスペース
作業中
- 足場
板金作業は外壁や屋根関係が多くなるため、仮設足場を使うことになります。足場は元請が設置している場合が多いため、板金職人にとって使い勝手が良いとは限りません。
階段の仕様、足場幅、高さ、建物との距離を、事前に監督へ伝えるといいでしょう。無理な体勢で作業すると、仕事の質やスピード、安全面にも影響します。
万が一足場の状態が好ましくない場合は、自分たちで足場を触ることもあります。
なるべく避けたいことですし、もちろん監督と相談の上ですが、工期など現場の状況によってはあり得ることです。
その場合のために、大きめの金槌などの工具を積んでおくと便利です。
- 下地
下地に問題がある場合も注意が必要です。
板金作業は、下地があってこそ成り立つものです。下地の具合が悪くては、仕事の質やスピードだけでなく、何より仕上がりに影響します。
仕上がってからクレームがついて「下地に問題があった」と弁解しても手遅れです。板金の責任ということになってしまいます。
下地に問題がある場合は、事前に監督に相談し、直すかそのまま仕上げるか判断を仰ぎましょう。
また、下地に関係なくても、各部の納まりについては監督の承認が必要です。
特に加工した役物関係、出隅・入隅などの納まりは決まりがなく、現場の判断で対応するものですから、思い込みで進めてしまうとあとでやり直しになってしまいます。
内容によっては、監督から施主への確認が必要になることもあります。作業の手を止めないためにも早めに確認しておきましょう。
- 仮設足場の幅、高さ、距離など
- 下地の状態
- 各部の納まり
体調管理にも気をつけて
ほかにも細かく気をつける点はありますが、主な現場出張の際や板金工事での注意、トラブルを回避するための確認は、毎回必要となってきます。
遠方の現場へ出張を依頼されるということは、基本的には元請や監督とある程度の仕事のやりとり・実績があるということです。
とはいえ、板金職人の事情まですべて考慮してもらえるわけではありません。こちらからアクションしないと解決しないことが多いので、確認は積極的にしましょう。
最後に、遠方出張時は天候や水の変化など複合的な影響で、自分が思っているより体調を崩しやすくなります。
体調に異変を感じた時は、絶対に無理をしないことです。
決められた工期を守ることはもちろん大切ですが、まずは自分の体を守り、健康に仕事ができるようにしましょう。
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