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2022/05/02更新

フルハーネス型安全帯の装着が義務化!特別教育は受講した?

仕事

 
建設業に携わる方なら一度は「フルハーネス型安全帯」という言葉を耳にしたことがあるのではないでしょうか?

労働安全衛生法が改正されたことにより、2022年1月2日から新規格のフルハーネス型安全帯の装着が義務となりました。

新規格のフルハーネス型安全帯の装着義務がある作業員は、フルハーネス特別教育の受講・修了もあわせて義務となっています。

フルハーネス型安全帯の基本的なところや、特別教育では何を学ぶのかをまとめました。
 

フルハーネス型安全帯装着の原則義務化とは?

原則義務化の背景

 
建設業界の死亡災害で飛びぬけて最も多いのは「墜落・転落」事故です。

令和2年度の「墜落・落下」が原因である死亡災害は95件、次いで多い「挟まれ・巻き込まれ」が27件なので3倍以上の件数になります。

*参考:厚生労働省  労働災害統計

これまでも意識改革や安全対策の実施・見直しはされており、死亡災害は減少してきてはいます。

ただ、安全帯を装着していても転落・落下が原因の死亡災害が発生してしまうのが実情です。

更に死亡災害を減らすために、厚生労働省は2018年3月に発表した「第13次労働災害防止計画」で、建設業と林業では「墜落・転落」災害への対策に重点を置くことを決めました。

それに伴って、労働安全衛生法施行令(安衛法)と労働安全衛生規則(安衛則)の一部を改正し、2019年2月1日に施行しました。
 

具体的にどのようなことが改正されたのか?

法改正により、安全帯が下記のとおりに変更されました。

  • 「墜落制止用器具」への名称変更(安衛令13条)
  • 墜落による危険の防止(安衛則130条の5等)
  • 猶予期間の設定
  • 特別教育の実施(安衛則第36条、特別教育規程第24条)

引用:厚生労働省 墜落制止用器具の安全な使用に関するガイドライン 

 
まず大きく変わったのは、これまで「安全帯」と呼んでいたものが「墜落制止用器具」と法令名称が変わり、規格も変更されたことです。

フルハーネス型の装着が原則です。高さが6.75m以下(建設現場においては5m以下)で作業する場合は胴ベルト型でも構いません。

猶予期間もありましたが、2022年1月2日以降は新規格の「墜落制止用器具」を購入して装着する必要があります。

フルハーネス型を使用する場合は「フルハーネス型墜落制止用器具特別教育」の受講・修了が必須になったことも重要なポイントです。
 

特別教育の受講・修了が必須

受講の対象者は?

 
フルハーネス特別教育の受講対象者も法令に定められています。

高さが二メートル以上の箇所であつて作業床を設けることが困難なところにおいて、墜落制止用器具のうちフルハーネス型のものを用いて行う作業に係る業務(ロープ高所作業を除く。)

引用:労働衛生安全規則36条四十一号

 
上記の法令を読むと、「作業床」とは何を指しているのか気になると思います。

結論から言うと法令上では具体的な定義はありません。

一般的には作業床は足場や機械の点検台など、作業のために設けられた床を指します。

勾配のついた屋根や、足を踏み外したら落下してしまう場所は「作業床を設けることが困難な場所」と言えます。

自分の判断だけでなく、労働基準監督署にも相談してみましょう。
 

受講を怠ると罰則がある!

 
特別教育を受講せずに対象作業に従事すると、下記の罰則を受けます。

六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

引用:労働安全衛生法第119条

 
新規格の「墜落制止用器具」を装着せずに対象作業に従事しても、同じ罰則を受けます。
フルハーネス特別教育の修了にあわせて新規格品の購入もしましょう。
 

特別教育の内容

特別教育が受講できる場所は?料金は?

 
全国各地にある建設業関連の法人が講習会を主催しています。各法人の公式サイトでは、開催日時のスケジュールや費用が掲載されています。

料金としては、1万円前後で設定をしているところが多いです。

時間がない人や、スキマ時間に受講したい人にはWEB講習もオススメです。
インターネット環境がある場所であれば、どこでも講習動画が視聴できます。

ただし、WEB講習で受講できるのは学科のみで、実技は「実技実地責任者」が対面で指導する必要があります。

「実技実地責任者」とはすでにフルハーネス特別教育を修了した人のことです。

学科についても、既定の教育時間を守っているかを証明するために事業者やフルハーネス特別教育を修了した人が同席している必要があります。
 

受講時間はどのくらい?内容は?

受講時間は学科4時間、実技1.5時間です。

    学科

  1. 作業に関する知識(1時間)
  2. 墜落制止用器具(フルハーネス型のものに限る)に関する知識(2時間)
  3. 労働災害の防止に関する知識(1時間)
  4. 関連法令(0.5時間)
  5. 実技

  6. 墜落制止用器具の使用方法等(1.5時間)

引用:厚生労働省 墜落制止用器具の安全な使用に関するガイドライン

 
学科ではフルハーネス型の使い方や基本的な構造だけでなく、法令も学びます。

実技では、実際にフルハーネス型を装着することで使い方や点検・整備の方法を学びます。
 

科目免除ができる場合もある

 
基本的に6.5時間の特別教育が必須です。しかし、下記に該当する場合は講習内容が一部免除されます。

  1. 高さが2m以上の箇所で作業床を設けることが困難なところにおけるフルハーネス型安全帯を用いて行う作業に6ヶ月以上従事した経験を有する者…4.5時間免除
  2. 高さが2m以上の箇所で作業床を設けることが困難なところにおける胴ベルト型安全帯を用いて行う作業に6ヶ月以上従事した経験を有する者…1時間免除
  3. 足場の組立て等の業務に係る特別教育またはロープ高所作業に係る特別教育を受けた者…1時間免

引用: 平成30年6月22日付け基発0622第1号 労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令等の施行等について

 
講習の一部免除が適用した場合、受講時間の短縮に加えて受講料も減額している講習会が多いです。該当する場合は積極的に申請しましょう。
 

まだ特別教育を受講していない人は受講しよう!

 
新規格のフルハーネス型の着用義務は数年前から猶予期間を設けて2022年1月から完全施行されました。
ただ単に新規格の安全帯を購入して、着用しているだけでは罰則が科せられます。
建設工事現場でフルハーネス型安全帯を装着する場合は、必ず「フルハーネス特別教育」の受講・修了をしましょう。
 
 

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BUILD編集部

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