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2023/12/18更新

履く前に知っておきたい!安全靴の規格についての基礎知識【JISとJASSの違い】

仕事

2019年9月23日公開  2023年12月19日更新
 

仕事中、足を守るために履く安全靴ですが、「JIS」と「JSAA」の規格の違いについて知っていますか?

JIS規格を満たした安全靴の着用を義務付けられている現場もあるので、先芯が入っているからと適当に選んでしまってはいけません。
 

安全靴・保護靴の規格

3つの基本性能

 
安全靴や保護靴の規格としてJISJSAAの2種類がありますが、基本性能はどちらも同じです。

以下の3つの基本性能試験で、安全性や耐久性の基準を満たしたものが合格品と認定されます。

  • 先芯の耐圧迫性:つま先に重量物が押し付けられたとき、つま先を保護する性能
  • 先芯の耐衝撃性:つま先に重量物が落ちてきたとき、衝撃からつま先を保護する性能
  • 表底の剥離抵抗:靴の表そこと甲皮が十分に接着されていて、引っ張っても剥がれない

 
JSAAはこれらの基本性能がJISと同等まではいかないものの、それに準ずる性能を備えています。
 

JIS規格とは

 
JIS規格とは工業標準化に基づき制定される国家規格です。

足を保護する靴を総称して「安全靴」と呼ぶこともありますが、本来JIS規格に合格したものが「安全靴」と呼ばれます

認定されるには、以下のような厳しい基準をクリアしなければなりません。
 

  1. 定められた材料を使用すること
  2. JIS認可工場で製造すること
  3. 完成品性能をクリアすること

 

【作業区分による種類】

JIS規格は「超重作業用」「重作業用」「普通作業用」「軽作業用」の4つの作業区分によって性能が規定されています。
※ 2020年に「超重作業用」が追加されています。
 

超重作業用(U):つま先保護性能の耐衝撃性が200Jで、国際IOS規格にも準拠。
重作業用(H) :つま先保護性能の耐衝撃性が100Jで、特に重い重量物を頻繁に扱う作業
普通作業用(S):つま先保護性能の耐衝撃性が70Jで、重量物を扱う一般的な作業
軽作業用(L) : つま先保護性能の耐衝撃性が30Jで、比較的軽量物を扱う作業

 

JSAA規格とは

 
JSAA(公益社団法人日本保安用品協会)が定める規格に合格した作業靴は「プロテクティブスニーカー」や「プロテクティブブーツ」と呼ばれます。

JIS規格のものに比べ耐久性は劣りますが、デザイン性の高いものや軽量化され動きやすいのが特徴です。

認定されるには、以下の基準をクリアする必要があります。
 

  1. 定められた材料を使用すること
  2. 完成品性能をクリアすること

 

【作業区分による種類】

JSAA規格は「普通作業用A種」「軽作業用B種」の2つの作業区分によって性能が規定されています。

普通作業用A種:つま先保護性能の耐衝撃性が70Jで、貨物運送・運搬業を始め、一般事務作業や清掃作業分野等の通常作業
軽作業用B種 :つま先保護性能の耐衝撃性が30Jで、軽量物を扱う作業や比較的良好な職場環境における軽作業

 

安全靴・プロテクティブスニーカーの選び方


 
安全靴・プロテクティブスニーカーを選ぶとき、厳しい基準をクリアした安全靴を履いておけば安心かというと、そうでもありません。

どちらにもメリット・デメリットがあるため、現場や作業の程度に合わせて選択するのがベストです。

安全靴は厳しい基準にクリアしており、安全性は高いといえます。

しかし、使用する素材も指定されているため、重く動きにくかったり、通気性が悪かったりとデメリットもあります。

一方プロテクティブスニーカー・ブーツは、比較的使用する素材の自由度が高く、デザイン性や快適性はあります。

しかし、安全靴に比べるとやはり安全性は劣ってしまいます。

現場によって規定される安全靴がある場合はもちろん、そうでなくても作業の程度を見て靴を選ぶことで、作業効率も上がります。
 

現場に合わせて選択しよう

 
危険が伴う作業中の事故を防ぐために欠かせない安全靴。

靴の性能やリスクをしっかり理解した上で、現場に合った靴を選びましょう。
 

参照元:
*公益社団法人 日本保安用品協会 プロテクティブスニーカー

*ミドリ安全株式会社 ミドリ安全の安全靴・作業靴 安全靴を知る
 

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