2023/06/24更新
個性や味が現れる「革製腰袋」長く使うための手入れ方法とは
仕事
ナイロンや合皮など、機能性や利便性に優れた素材から作られた腰袋が多く販売されていますが、昔ながらの革製腰袋は、持ち主の個性や味が色濃く出ます。
今回は、革製の腰袋によく使われるヌメ革とスエード革の特徴と、手入れ方法を紹介します。
目次
革の種類
革と聞くと、牛革や馬革など革のもととなる動物を思い浮かべる人が多いかもしれませんが、実際は「鞣し」「革」「仕上げ」の3つの組み合わせによって種類が決まります。
鞣し(なめし)
動物から剥ぎ取られた皮は、本来何も加工がされなければ腐ってしまいます。
腐らないように樹液や薬品を使って革製品として使えるように加工されます。
この方法を「鞣し」と言います。
鞣していないものは「皮」、鞣しを経たものは「革」と呼ばれます。
鞣しの種類として主要なものは「タンニン鞣し」「クロム鞣し」「コンビネーション(混合)鞣し」の3種類があります。
この鞣しの方法によっても、革の仕上がりが変わってきます。
革
次に革の違いです。
これが牛革や馬革などの、動物の種類による違いです。
牛や馬など革製品でよく見かけるものをはじめ、たくさんの動物の革が使われています。
- 牛革(カウレザー)
- 馬革(ホースレザー)
- 豚革(ピッグスキン)
- ヤギ革(ゴートスキン)
- ひつじ革(シープスキン)
- 鹿革(ディアスキン)
- ヘビ革(パイソン)
- ワニ革
- ダチョウ革(オーストリッチ)
革製品の代表格である牛革はもちろん、バッグや小物などによく見られるヘビ革やダチョウ革など種類は様々です。
仕上げ
革の種類を決める最後の要素は、加工・仕上げです。
革の染色や表面の加工など、数々の加工・仕上げの方法があります。
この後お手入れの方法を紹介する「ヌメ革」と「スエード革」も加工方法の一つです。
代表的な加工方法だけでもその種類は多く、以下のようなものが挙げられます。
- ヌメ革
- スエード
- オイルレザー
- ガラスレザー
- エナメルレザー
- シュリンクレザー
- ブライドルレザー
- 銀付き革
- ヌバック
- 型押し
革は、ヌメ革やオイルレザーなど、革独特の質感や味を楽しめるものだけではありません。
ガラスレザーやエナメルレザーのようなコーティングによって光沢をだすものなど、仕上げによって見た目も大きく変わります。
革製の腰袋の手入れ方法
種類が豊富な革製品ですが誤ったお手入れをしてしまうと、汚れや傷みの原因になってしまいます。
適切な頻度で正しいお手入れをして、革特有の味や経年変化を楽しみましょう。
ヌメ革
ヌメ革は丈夫ですが、水に弱く傷がつきやすいという特徴があります。
特に皮脂などでコーティングされる前のおろしたては、濡れた部分がシミになりやすいので、革用の防水スプレーを使うなどして、なるべく水気を避けましょう。
ヌメ革は使い込むにつれて柔らかくなり、手の皮脂や紫外線によってツヤが出て、深みのあるアメ色に変化していきます。
経年変化を楽しみたい、自分だけの個性ある腰袋にしたいという人にはおすすめです。
手入れ方法
ヌメ革は水に弱いため、買ったらすぐに防水スプレーをしましょう。
水に濡れた場合は、なるべく放置せず拭き取ります。
水でシミになってしまったら、きつく絞った濡れタオルで全体を一度湿らせてから乾かすと、シミが目立たなくなります。
ヌメ革に限らずですが、革製の腰袋は水に濡れたまま放置したり、湿気のこもりやすい場所で保管するとカビの原因になってしまいます。
水に濡れた後や長期間保管する際は、しっかり乾かし、乾燥剤などを使用して保管してください。
また、腰袋は定期的に道具を全て出してバラし、乾拭きで埃や汚れを軽く落としましょう。
半年ほど使い続け、革が乾燥してきたと感じたらオイルやクリームを塗ります。
清潔な布で少量とり全体に優しく塗り広げ、1時間ほど乾かした後、乾いた布で全体を拭き上げて完了です。
一度にクリームを塗りすぎてしまったり、あまりにも頻繁にクリームを塗ると、かえって革の状態が悪くなったり、革が重くなってしまいます。
必要最低限の量と回数でお手入れをしましょう。
スエード革
スエード革は毛羽立ち加工がされた柔らかい素材です。
温かい印象があり、靴などのアパレル商品にも多く使われている革です。
スエード革は他の革に比べて、オイルなどのお手入れが必要ないため、比較的メンテナンスが簡単なのも特徴です。
オイルやクリームをスエード革に塗ると、革が硬くなってしまうので注意しましょう。
手入れ方法
スエード革は汚れがつきやすいので、使い始めるときは防水スプレーをかけることで、水だけでなく汚れの付着を防ぐことができます。
日頃のほこり落としはスエード用のブラシを使いましょう。
ほこりや汚れによる色のくすみを落とし、毛並みを整えます。
部分的な汚れには、レザー用の消しゴムを使用します。
レザー用消しゴムは天然生ゴムを使用することで、起毛部分を傷めず汚れを落とすことができます。
味のあるかっこいい腰袋にしよう
革製の腰袋はナイロン製のものなどと比べると重く、定期的なメンテナンスも必要ですが、長年大切に使用された味のある腰袋はとてもかっこよく見えるもの。
正しく手入れをして、一点ものの腰袋にしましょう。
▽そのほかおすすめの記事▽
BUILDのSNSをフォローして
最新情報をチェックしよう!