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2023/06/19更新

摂り過ぎも摂らなさ過ぎもNGなの?適度な量の食塩摂取量とは

健康

 
塩分の摂り過ぎは、生活習慣病になるリスクを高めると言われています。
減塩の食品も多く販売されており、健康に気をつけている人が多いのが伺えます。

しかし、減塩のし過ぎも体に良くないという記事も見かけます。
実際のところ、どれくらいの塩分を取った方がいいのかわからないですよね。

そこで今回は、食塩についてや、1日の摂取量などについて解説します。
 

塩分、ナトリウム、食塩相当量の違い

塩分とは

 
塩分とは、食品に含まれる食塩のこと。
ここでの食塩とは、塩化ナトリウム99%以上の成分でできている、精製塩のことをいいます。

「塩」には、精製塩自然塩(天然塩)の2種類あります。
 

精製塩は、電気分解して煮詰めた「イオン膜・立釜法」か、天日塩を溶かして不純物を取り除き煮詰めた「溶解・立釜法」で精製された塩のことです。

塩化ナトリウムが主成分で、ミネラル成分はほとんどありません。

精製塩の中には、塩の固まりを防ぐために炭酸マグネシウムなどの添加物を加えているものや、ミネラル成分を追加しているものもあります。

「食卓塩」として販売されていることが多く、値段も安価。
 

一方、自然塩(天然塩)と呼ばれる塩は、自然にできた岩塩や塩田で水分を蒸発させて作られた天日塩などのこと。

精製塩よりもカリウム、カルシウム、マグネシウムのミネラル成分を多く含んでおり、値段は高めです。

塩といっても精製塩か自然塩で、含まれる栄養分が異なります。

一般的に使われている塩分量とは、塩化ナトリウムが主成分の精製された食塩そのものの量となります。
 

ナトリウムとは

 
ナトリウムとは、人の体に必要なミネラルのうちの一種

ミネラルバランスを保ったり、細胞の浸透圧維持、筋肉や神経系の興奮を抑制するなどの働きがあります。

ナトリウムと塩素が結合すると、塩化ナトリウムとなり、いわゆる食塩になります。

ナトリウムは主に食塩の形で摂取され、摂り過ぎると、体のむくみや生活習慣病になるリスクが高くなると言われています。

逆に摂らなさ過ぎても、ミネラルバランスやナトリウムが担っている役割の機能が崩れてしまったり、食欲減少や味覚を感じにくくなってしまうと言われています。

ただ、ナトリウムはさまざまな食品に含まれており、健康な人であれば足りなくなることはなく、むしろ日本人は世界に比べて摂り過ぎている傾向にあります。
 

食塩相当量とは

 
食塩相当量とは、食品に含まれるナトリウム量を食塩の量に算出したもの

2015年4月1日に施行された食品表示法により、ナトリウムの量は食塩相当量として換算されて、栄養成分表に表示されるようになりました。

注)ナトリウムは食塩が入っていない食品にも含まれていることがあります。
  ナトリウム塩を使っていない食品の場合、ナトリウムの量も表示することができます。

ナトリウム量から食塩相当量を算出するには以下の計算方法が用いられます。

ナトリウム量(mg) × 2.54 ÷ 1,000 = 食塩相当量(g)

 
または

ナトリウム量(g) × 2.54 = 食塩相当量(g)

 
塩分量は食塩(塩化ナトリウム)そのものの量に対して、食塩相当量とはナトリウムの量を食塩に置き換えた場合の量ということになります。
 

減塩し過ぎると健康に良くないというのは、自然塩に多く含まれているカリウムやマグネシウムなどのナトリウム以外のミネラル成分摂取が減ってしまったり、全く塩分を取らなかった場合のこと。

体にとって重要な働きをするミネラルは、自然塩の他にも乳製品や大豆、海藻などの様々な食品からも摂ることができます。

通常の食事から必要な塩分量は摂取できているため、過剰減塩よりも、過剰摂取を続けてしまう方が心配と言われています。
 

食塩摂取量

日本人の塩分摂取量

 
世界保健機構のWHOでは、1日の塩分摂取量を男女ともに5g未満を推奨しています。

しかし「令和元年国民健康・栄養調査報告」では、食塩摂取量の平均値は10.1g(男女別男性10.9g、女性9.3g)と、約2倍の量を摂取していることになります。

日本食は塩分が多く含まれた醤油や味噌などといった調味料を使うため、どうしても塩分量が多くなりがちです。
 

塩分摂取目標量

 
厚生労働省では1日の塩分摂取量の目標平均値は8g未満で、成人男性は7.5g未満、成人女性は6.5g未満を目標としています。

食塩の過剰摂取を長年続けてしまうことにより、生活習慣病の発症や重症化のリスクを高めると言われています。

生活習慣病の中でも、動脈硬化から脳出血などの病気を引き起こしやすくする高血圧は、運動不足や過労、老化などのほかにも、食生活の乱れが原因とも。

インスタント食品で済ませてしまうなどの食生活の乱れは、食塩を摂り過ぎてしまい血中のナトリウム量が増えてしまいます。

そして、ナトリウムの排泄を促すカリウムや、骨や髪をつくるカルシウムなどが不足して、血液中のミネラルのバランスが悪くなり血圧を上げる結果に。

適度な運動やストレスを溜めない、食生活を見直すといったように、早いうちから食塩摂取量を減らして、将来生活習慣病になりにくくするための予防をしましょう。
 

食品に含まれる食塩量


 
急に食塩量を減らすのは難しいですよね。
まずは、食品にどれくらいの食塩量が含まれているのかを把握し、少しずつコツコツと減塩していきましょう。
 

食品に含まれる塩分量

 

*参考元:国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所 「日本人はどんな食品から食塩をとっているか?–国民健康・栄養調査での摂取実態の解析から–」

 
カップ麺やインスタントラーメンは、食塩量が飛び抜けて高いのがわかります。

塩分控えめのものを選んだり、スープを残すなどを気をつけることで、塩分量を減らすことに繋がります。
 

調味料に含まれる塩分量

 

食塩量が高い醤油は、減塩醤油を使うだけでも塩分量を減らすことができますね。
 

▽いつもの食事から気をつける減塩方法については、以下の記事も参考にしてみてください▽



 
 

塩分量を意識しよう

 
塩分は、食事をおいしく食べるために大切な調味料。

しかし、過剰摂取を長年続けることで、高血圧などの生活習慣病になるリスクを高くしてしまいます。

インスタントラーメンは汁を飲まない、野菜をプラスする、減塩の食品を選ぶなどのように、少しでも塩分量を意識することで減塩に繋げることができます。

無理のない範囲で少しずつ減塩していきましょう!
 

参考元:
*厚生労働省 令和元年「国民健康・栄養調査」の結果
*厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020年版)
*公益社団法人塩事業センター 塩百科 「塩のつくり方」
*東京都福祉保健局 食品表示法

*消費者庁 減塩社会への道(PDF:388KB)
*医学ボランティア会 【高血圧の原因と対策】血圧が上がるメカニズムや要因となる生活習慣について

 
 

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