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2023/01/21更新

【良いものを知って男を上げる】日本三大和牛と世界三大品種の話

趣味

 
毎日何気なく目にしていたり、聞いていたり、使っていたり、食べていたり、飲んでいたり…

そんなものの中には、高級品と呼ばれるものや、世界で代表的と呼ばれるような有名なものがたくさん世の中にあります。

「良いもの」「有名なもの」を知って知識を広げ、いつもの生活に少しでも取り入れてみることで、自分の価値を上げてみませんか?

ここでは、男の価値を上げられるような「良いもの」を紹介していきます。

前回は「世界三大コーヒー・珍コーヒー」の話でした。
 


 

今回は「ブランド牛、日本三大和牛」と「世界三大品種」の話。

日本でブランド牛になるまでには、生まれた場所や育った環境に加え、厳しい検査に合格しなければなりません。

そんな日本における牛肉について解説・紹介していきます。
 

日本の牛肉について

国産牛と和牛の違いや、ブランド牛とは何か知っていますか?
まずは日本の肉用牛について解説します。
 

国産牛と和牛の違い

 
肉用牛は「国産牛」と「輸入牛」に分かれています。
国産牛は、食肉用として日本で3ヶ月以上飼育された牛のこと。

産地」を指すため、生まれや品種は関係なく、日本で食肉用として飼育されている期間が一番長ければ、国産牛となります。
 

国産牛は「和牛(和牛種)」「交雑種」「乳用種」の3種類の品種に分けられます。

つまり和牛とは、肉用牛の「品種」を指します。

和牛は、日本生まれ・日本育ちの「黒毛和種」「褐毛和種」「無角和種」「日本短角種」の4種に加え「交雑種」を和牛と呼びます。

交雑種はいわゆる雑種のことですが、和牛の雄と乳用牛の雌を交配させてできた牛のことで「F1」とも呼ばれています。
 


 

ブランド牛とは

 
厳しい基準をクリアした枝肉(頭・足・尻尾・内臓などを取り除いた、骨のついた肉)に付けられる銘柄のこと。

ブランド牛は、兵庫県の神戸ビーフ、三重県の松阪牛、岐阜県の飛騨牛、山形県の米沢牛などがあります。

それぞれのブランド牛を管理している、生産・流通推進協議会などの団体があり、それぞれが産地や血統、飼育方法、品質評価の格付けなどの厳しい基準を定めています。
 

例えば神戸ビーフの場合、神戸ビーフというブランド名が付けられる前は、兵庫県で生まれ育った黒毛和種の「但馬牛(たじまうし)」です。

その但馬牛の中からさらに、出産経験のない牛(未経産牛)または去勢牛か、霜降りの度合いが基準を満たしているか、肉質がきめ細かく、しまり具合が優れているか、などの事項に全て該当しているか判断・格付けされ、神戸ビーフとして認められます。

「神戸肉・神戸ビーフの定義」

各団体が定めた基準を満たした牛がブランド牛となり、その種類は200以上あると言われています。
 

牛肉のランク・格付け

 
店先で「A5ランクステーキ」や「A4ランクの牛肉」などと目にしたことがある人は多いのではないでしょうか。

この「A5」や「A4」が牛肉のランクとなり、その肉の品質を表しています。

この品質評価は、公益社団法人 日本食肉格付協会が、市場や食肉センターで公正な取引が行えるよう、全国共通の肉の取引規格を農林水産省の承認を得て制定しています。

牛肉の場合は「牛枝肉取引規格」があり、以下の2つで評価します。

  • 歩留(ぶどまり)等級
    一頭あたりから取れる肉の量を表す
  • 肉質等級
    霜降りの度合い(脂肪交雑)や、肉の色・艶、しまり・きめ、脂肪の色・質を表す

 
歩留等級は、標準より良いものをA、標準をB、標準より劣るものをCと表記します。

肉質等級は1〜5で表記され、質の高いものを5、低いものを1としています。

評価は4項目のうち、一番低い評価の等級がつくため、肉の色や脂肪の色が「5」評価でも、脂肪交雑が「3」であれば、等級は「3」となります。
 


 

肉質等級などの細かい基準は、公益社団法人 日本食肉格付協会「牛枝肉取引規格」から確認できます。

肉の消費者としては、A〜Cの歩留等級よりかは、1〜5の肉質等級の方が気になりますね。
 

日本三大和牛

 
 
日本のブランド牛を代表する、日本三大和牛。
日本人なら誰しもが聞いたことがあり、一度は食べてみたい代物です。
 

神戸ビーフ

 
「こうべうし」「こうべぎゅう」「KOBE BEEF」とも呼ぶことができます。

兵庫県の「神戸肉・神戸ビーフ」は日本で一番厳しい定義と言われており、以下の基準に該当し、認定されたものだけが神戸ビーフとなります。

神戸ビーフの定義

  • 「兵庫県産但馬牛」である
  • 未経産の雌牛または去勢された雄牛
  • 歩留等級が「A」か「B」
  • 肉質等級が4等級以上
  • 脂肪交雑(B.M.S.)がNo.6以上
  • 枝肉重量が雌270kg/雄300kg以上、499.9kg以下

 
また兵庫県産と呼べる但馬牛は、但馬牛の中でも、

  • 神戸肉流通推進協議会に登録されている生産者のもとで管理・肥育された牛
  • 生後28ヵ月〜60ヵ月までの雌牛または去勢牛
  • 歩留等級が「A」か「B」
  • 肉質等級が2等級以上

 
であり、兵庫県内にある食肉センターで検査に合格したものだけを、兵庫県産「但馬牛(たじまうし/たじまぎゅう)」「但馬ビーフ」「TAJIMA BEEF」と呼ぶことができます。

そして、兵庫県産但馬牛と定義された但馬牛の中でも、さらに厳しい規定を満たしたものだけが、神戸ビーフと言えるのです。

神戸ビーフは世界でも人気が高く、日本を代表するブランド牛です。

不慮の事故で亡くなった元NBAスター選手のコービー・ブライアントの名前「KOBE」は、コービーの父が来日した際に神戸ビーフを食べて感動したことから、神戸ビーフの「神戸」をとって息子に名付けたことは、とても有名な話ですね。

*参考元:神戸肉流通推進協議会 神戸ビーフオフィシャルレストランガイド神戸ビーフとは
 

松阪牛

 
よく「まつざかぎゅう」と読んでしまいがちですが、正しくは「まつさかうし」または「まつさかぎゅう」と読みます。

三重県の松阪牛は、甘くてコクのある上品な香りがし、ヘルシーで良質な脂肪は口の中ですぐに溶け、まろやかな食感のする牛肉と言われています。

松阪牛の定義

  • 黒毛和牛種
  • 未経産の雌牛
  • 導入から出荷までデータ管理される「松阪牛個体識別管理システム」に登録されている
  • 生後12ヵ月齢までに松阪牛生産区域に導入されている
  • 松阪牛生産区域で一番長い期間肥育され、出荷されている

 
またこの中でも、さらに「松坂牛の中の松坂牛」と言われる、長期期間手間隙かけて肥育した稀少な「特産松阪牛」があります。

特産松阪牛の定義

  • 兵庫県産の子牛
  • 松阪牛生産区域で900日以上肥育されている

 
熟練の農家が秘伝の技を駆使して1頭1頭大切に育て、コストもかかるため、生産頭数が少なく、松阪牛全体の中でも数%しか存在しないと言われています。

特産松阪牛はとても柔らかく、甘味のある上品な香りがし、色味の濃い赤身の部分は肉の旨味が凝縮され、とろけるような口溶けの脂はまろやかで、くどくない旨味があると言われています。

*参考元:松阪牛協議会 松阪牛
 

近江牛

 
「おうみぎゅう」「おうみうし」と呼びます。

滋賀県の近江牛は、三大和牛の中で最も長い400年以上もの歴史があり、近江牛の畜農家が強い自信と誇りを持っています。

近江牛の定義

  • 黒毛和種の牛であること
  • 滋賀県内で最も長く肥育されている牛
  • 歩留等級が「A」か「B」
  • 肉質等級が4等級以上

 
59あるそれぞれの牧場が、伝統技術で1頭1頭大切に育てる近江牛は、年間6000頭の出荷に限られています。

山に囲まれ400以上の川が流れる、豊かな自然環境の中で育つこともあり、芳醇な香りで、霜降りの度合いが高く、とろけるような柔らかさと深い味わいが特徴です。

*参考元:近江肉牛協会 近江牛
 

世界三大品種


 
代表的な外国の牛で、世界中に広く分布している品種です。
3大ブリティッシュ・ブリードとも呼ばれ、イギリス系の肉専用種です。
 

アバディーン・アンガス

  
スコットランドが原産国の、アバディーン種とアンガス種の交配によってできた品種で、
黒単色、無角の小型牛です。

和牛種にある無角和種は、輸入されたアバディーン・アンガス種の交配を品質改良し、できた品種となります。

脂肪交雑がよく質の高い、柔らかくてジューシーなおいしい肉と言われています。

アメリカン・アンガス協会(The American Angus Association = AAA)によってCertified Angus Beef ®(認定アンガスビーフ)の規格を設定し、肉の品質が管理され、最高級品質であることを保証しています。

CAB®(Certified Angus Beef ®の略)が制定した品質基準は、米国農務省(USDA)が定めているものよりも厳しい、10の規格があります。

▷認定アンガス ビーフ Certified Angus Beef ® 科学に基づく10の規格

また通常のCAB®基準に加え、さらに9つの厳しい基準にクリアした「CAB® PRIME」と、ホルモン剤や抗生物質を使用せずに育てられた「CAB® NATURAL」というブランドもあります。
 

ショートホーン

 
イギリスが原産国のショートホーン種は、赤単色または白単色で、名前の通り短い角のある、比較的小型の牛です。

和牛種にある日本短角種は、輸入されたショートホーン種の交配を品質改良し、できた品種となります。

肉質の良い、典型的な肉用種として知られていますが、乳用種としても用いられることがあります。

品質は、アメリカン・ショートホーン協会(American Shorthorn Association=ASA)によって管理されています。
 

ヘレフォード

 
イギリス北西部のヘレフォードシャーが原産国のヘレフォード種は、濃褐色で顔や胸に白いまだら模様が見られる、無角の大型の牛です。

暑さや寒さ、乾燥など、環境状況の悪い場所でも強く、育てやすいことから、数多くの場所で飼育されています。

脂肪交雑が少なく、赤身の多い粗い肉質が特徴です。

アメリカン・ヘレフォード協会(American Hereford Association = AHA)によって肉の品質が管理され、米国農務省(USDA)も認めている、サーティファイド・ヘレフォード・ビーフ(Certified Hereford Beef = CHB)と呼ばれる厳しい品質プログラムが、高品質であることを保証しています。
 

知識を深める

 
牛肉はたくさんの種類がある中でも、ブランド牛や世界三大品種と呼ばれる牛肉は、それぞれの定義があり、その品質を保証しています。

レストランやスーパーで見かけた際に試してみることで、そのおいしさや肉質の違いなど、色々な発見があるかもしれません!

また日本人だけでなく、海外の人からも絶賛される和牛。
海外の人をおもてなしするときなどにも、知っていて損はない知識です。

高品質のブランド牛を知って食べてみることで、少しでも人生を豊かにし、男をワンランク上げてみませんか?
 
 

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この記事を書いた人

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