2023/06/09更新
土木施工管理技士なら知っておきたい重要なダムの役割と種類
生活
ダムの役割としてよく聞く貯水や放流が、どのような目的で行われているか知っていますか?
普段の生活でダムの働きについて考えることはあまりないですが、ダムは川の番人として私たちの暮らしを守っています。
今回は、ダムの定義や種類、役割を紹介します。
目次
ダムとは
ダムは、川に流れる水を貯めておくことで、水の量を調節する施設です。
有名な役割としては、大雨が降ったときに雨水を貯水することで洪水を防いだり、日照りが続いたときに川が干上がるのを防ぐことで、川の水量を一定に保つ働きがあります。
ダムのほかに、水門や堰(せき)も水量を調節する役割を持っていますが、その違いは高さです。
15m以上の高さがあるものがダム、それ以下は水門や堰に分類されます。
ダムの役割
ダムには「治水」「利水」「発電」の3つの役割があります。
治水
治水は川の水量を調節する役割です。
大雨による水害を防いだり、日照りで川が干上がらないよう水量を調節します。
これは、私たちの生活を守るだけでなく、水質や生態系の保全にも繋がる大きな役割を果たしています。
利水
ダムには、私たちが生活で使う水道用水や、田んぼや畑で使う農業用水、工業用水を供給する働きもあります。
ダムに貯められた水を使うことで、降水量に左右されず水を使うことができるのです。
発電
ダムに貯めた水を放流することで得られる位置エネルギーを利用した、水力発電もダムの役割の一つです。
大気汚染の原因となる物質を排出しないクリーンな発電手法ですが、降水量に左右されたり、ダムの建設に多額の建設費用がかかるなどのデメリットもあります。
ダムの種類
重力式コンクリートダム
重力式コンクリートダムは、ダム自体の重さで水圧を支える構造のダムです。
一般的には直線型のダムで、日本で一番多く作られている種類です。
2019年の台風19号で一躍有名になった八ッ場ダムをはじめ、佐久間ダム、小河内ダムなどがあります。
アーチ式コンクリートダム
直線型の重力式コンクリートダムに対して、アーチ型なのがアーチ式コンクリートダムです。
両岸の岩盤とアーチ型を利用して水圧を支えるため、使用するコンクリートの量も少なく薄いのが特徴です。
アーチ式コンクリートダムには、黒部ダムや温井ダムなどがあります。
中空重力式コンクリートダム
重力式コンクリートダムと同じく、ダム自体の重さで水圧を支えますが、中が空洞になっていることで、少ないコンクリート量で建設することができます。
複雑な構造で人件費がかかることから、現在では採用されていませんが、穴内川ダムや井川ダムなどがあります。
均一型フィルダム
均一型フィルダムは、アースフィルダムとも呼ばれ、世界で一番多く作られているタイプのダムです。
ダムの中でもその歴史はもっとも古く、土を押し固められて作られます。
国内には、清願寺ダム、長柄ダムなどがあります。
今一度ダムについて理解しよう!
台風や大雨などで水害が多い日本では、ダムは非常に重要な役割を果たしています。
土木施工管理技士であれば、そんなダムの建設に携わることがあるかもしれません。
ここで今一度、ダムの種類や役割を理解しておきましょう!
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