2022/11/10更新
社会人が知っているカタカナ語から覚える英単語【は〜ら行】
生活
ビジネスシーンだけでなく、日常生活でもカタカナ語が多くなってきている今、わからないカタカナ語や、意味を間違えて使用していた、ということも多いはず。
実は、最近使われているカタカナ語の多くが、英単語から由来しています。
そこでビジネスシーンでよく聞く、理解しておきたいカタカナ語とその英単語を3回に渡って紹介しています。
最終回は、は行〜ら行の言葉。
カタカナ語をうまく使いこなして、できるビジネスパーソンを目指したいですね!
*1回目:社会人なら知っておきたいカタカナ語から覚える英単語【あ行】
*2回目:社会人が知っているカタカナ語から覚える英単語【か行〜な行】
目次
よく聞くカタカナ語【は行〜ら行】
ここでは、英単語からきているビジネスで使われる用語、は行〜ら行を紹介します。
バイアス
ビジネス用語でも「偏り」など英語と同じ意味合いで使用されることが多くあります。
またビジネスシーンだけでなく、心理学、統計学、電子工学、服飾系などでも使用される言葉。
- バイアスのかかった見方で人を評価してはいけない。
- バイアスをかけるような質問ばかりだ。
- アンコンシャスバイアス(無意識の偏見)を自覚して対処するべきだ。
バイアスがかかるとは「偏見がある」「偏りがある」ことを意味しており、バイアスをかけるとは「先入観をもたせる」「偏見をもたせる」ことを意味しています。
アンコンシャスバイアスとは、誰しもが持っている考え方やものの見方、思い込みのこと。
例えば「お茶入れは女性がやるべきだ」「新入社員は率先して雑用をやるべきだ」「モデルは背が高くてかわいい(かっこいい)」「人を見た目で判断する」などがあります。
アンコンシャスバイアスは無意識のうちに態度や発言として出てしまい、周囲や会社に悪影響を与えてしまう可能性があるため、アンコンシャスバイアス研修を取り入れる企業が増えています。
バッファ
ビジネス用語では「余裕」や「ゆとり」という意味で多く用いられますが、人間関係や国と国、企業間などで「仲介・サポート役(緩衝)」とした意味で使用されることもあります。
IT業界では「一時的なデータの記憶場所」や「保存領域」のこと。
- 会議で配る資料のバッファはありますか?
- もう少し予算にバッファをもたせたい。
- AB社のZさんがバッファになって交渉を手助けしてくれた。
イギリス英語では「バッファ」が近い発音となりますが、アメリカ英語では「バッファー」と最後を伸ばす言い方が近い発音になります。
ハレーション
ビジネス用語では「悪影響を及ぼす」や「強い印象(影響)を与える」意味。
IT、デザイン、美容、医療などの業界でも幅広く使用されている言葉です。
- この言動は社内でハレーションを起こしかねない。
- 予想外な出来事だったとはいえ、ハレーションが大きく事態は深刻だ。
halationとカタカナ語のハレーションでは意味合いが異なるので注意しましょう。
フィックス
ビジネス用語では「確定、決定」「修正」「固定」という意味で主に使用されています。
「確定」や「決定」を意味するフィックスは、何回かの変更があって最終的に確定した意味合いが強いです。
- 3回目の会議でようやくプロジェクト内容がフィックスした。
- 最終調整日が30日でフィックスした。
- これから配る資料がフィックス版です。
- この前から続いていたバグをフィックスしました。
- すでにフィックスしている方針がいくつかあります。
バグをフィックスするとは「バグを修正する」という意味。
フィックスしている方針とは、すでに「固まっている」方針があるということ。
また業界によって「修正」や「固定」などの意味合いが強くなることがあります。
fixでも「決定する」という意味がありますが、ビジネス用語で使用されるような「最終確定した」という意味合いは含まれません。
ペンディング
ビジネス用語でも同じく「保留」や「先送り」といった意味で使用されます。
- この件に関しては、一旦ペンディングでお願いします。
- 会議で決定されたプロジェクトがペンディングになった。
日本語の「先送り」や「保留」はマイナスの印象が強く、取引先などからあまり好印象を持たれないのに対し、ペンディングはトゲのない柔らかい言い方でポジティブな印象に聞こえることから、よく使われるようです。
マイルストーン
一定の距離ごとに置いてある、目的地までの距離が表示されたマイル標石(標識)から転じて、歴史や人物などにとっての重大な出来事などの意味にもなったmilestone。
ビジネス用語では「中間目標」を意味しており、長期化しそうなプロジェクトや重大な事業などの中間の目標地点、節目のポイント、各工程の区切りのことを言います。
- プロジェクトのスケジュールにマイルストーンも設定してください。
- 次のマイルストーンを確認させてください。
- このプロジェクト達成は私のマイルストーンになった。
英語と同じく「人生の大きな節目」の意味合いで使われることもあります。
誰かにとってのマイルストーンになるということは、その人の転機になった出来事と言え、ターニングポイントに近い意味合いになります。
プロジェクトを成功させるには、マイルストーン設定は重要と言えますね。
マター
matterは一般的に「問題」「重要」「事柄」などという意味合いで使われることが多くあります。
ビジネス用語では「担当(者)」「責任(者)」「管轄」の意味で用いられ、英語とは違う意味合いで使用されています。
- その案件に関しては、Aさんマターとなります。(担当)
- 部長マターで進めないとできない案件です。(責任)
- 人事部マターの内容となるので、確認しよう。(管轄)
短くて言いやすいフレーズなので、使いすぎに注意したいカタカナ語です。
「It doesn’t matter.(気にしないでください、構いません、どうでもいい)」は、謝罪を受けたときの返事など会話の中でよく出てくるフレーズで、覚えておくと使える英語です。
リテラシー
ビジネス用語では主に「特定の分野の知識や理解度」という意味で使用され、ある物事の情報を正しく理解、分析して活用(応用)する能力のこと。
- リテラシーがある(ない)、リテラシーが高い(低い)
- 情報リテラシー
- メディアリテラシー
「リテラシーがある/ない、高い/低い」は、読解能力や理解力、知識とその応用力、活用力の有無や程度を意味します。
「情報リテラシー」は、適切な情報を収集、分析して活用する能力のこと。
「メディアリテラシー」は、テレビ、インターネット、ラジオ、雑誌などのメディアを活用する能力のことで、情報を正しく見極め、主体的に読み解く能力を意味します。
literacyは「リ」にアクセントがくる言い方になります。
リソース
ビジネス用語では、会社の経営資源を意味し「ヒト」「モノ」「カネ」「時間」「情報」などのことを指します。
色々な業界で使用され、資源となるモノがそれぞれ異なるので注意が必要です。
- 新規プロジェクトを進めるのにリソースが足りない。
- ソフトウェアを使用するためのリソースを確保したい。
プロジェクトを進めるためのリソースとなると、人員、予算(資金)、設備などの何かが足りていないことになります。
全てが足りていない場合もあれば、人材だけ足りていない場合などがあり、状況によってリソースを指すものが異なります。
IT業界などでは「メモリの容量」や「パソコンの処理能力」のほか「パソコンの周辺機器」などを意味します。
resourceはアメリカとイギリスで発音が異なります。
イギリス英語では「リゾース」が近い発音で「ゾ」にアクセントがきます。
アメリカ英語では「リ」にアクセントで「リィソース」が近い発音になります。
リリース
ビジネス用語では主に「発表する」「公開する」「発売・販売する」という意味。
- 明日から新サービスがリリースします。
- 商品改定に関する情報をプレスリリースした。
プレスリリースとは、テレビ、インターネット、雑誌などのメディアに向けて情報を開示、発表することを言います。
似た意味の「ニュースリリース」は世の中に向けてニュースを発表することで、プレスリリースとの違いはあまりありません。
*対義語に「アサイン」、類義語に「ローンチ」があります。
CDがリリースされる、釣った魚をリリースするも同じreleaseから由来しています。
レギュレーション
ビジネス用語でも「規則」「規定」といった意味で使用されます。
- レギュレーションを作成することで、デザインの統一感が生まれる。
- ここのレギュレーションは、高さの制限がある。
- 施設を利用するためには、レギュレーションの説明を聞かないといけない。
何かを運営、利用、使用、設定するなどにあたり、決められた仕様、規定、基準、マニュアル、規約のことをレギュレーションと言います。
似た意味の「ルール」は一般的な決まりに対して、レギュレーションは法的な意味が含まれます。
regulationは、レーションの「レ」がアクセントで「レギュレィション」が近い発音となります。
レジュメ
ビジネス用語では、フランス語の意味となる「要約」や「概要」として使われますが、近年では外資系企業などで使われている「履歴書」という意味でも定着しています。
- 会議用のレジュメを作っておいてください。
- 転職希望の企業へレジメを提出した。
会議用やプレゼン用などのレジュメとなると、内容を簡単にまとめた要点のこと。
似た意味で使われる「アジェンダ」は、議題のテーマや目次、決めるべき事項に対して「レジュメ」は要点をまとめたもの、簡潔にまとめた内容の意味となります。
履歴書の意味で用いるときは「レジメ」と言われることもあります。
英語でも意味の違いによって発音が変わります。
「再び続ける」という意味の場合、イギリス英語では「レジューム」、アメリカ英語では「レズーム」または「レズゥム」が近い発音となり「ジ」または「ズ」にアクセントがきます。
「履歴書」の意味の場合、イギリス英語では「レジュメィ」、アメリカ英語では「レゾメィ」または「レズメィ」が近い発音となり「レ」にアクセントがきます。
フランス語の意味でのレジュメ(要約や概要)を英語にすると「summary(サマリー)」となります。
履歴書のResumeはフランス語からきている単語。「CV(シーヴィー)」と言われることもあります。
ローンチ
ビジネス用語では主に「新たに何かを始めること」を意味し、新サービスやシステムを開始する、新商品などを発売すること。
- ライバル社が今までにないようなサービスをローンチした。
- 3年かけて開発した商品を、ようやく今日ローンチした。
launchもビジネス用語と同じ意味合いで使われることもあります。
*同義語で「リリース」があり、言い換えることができます。
カタカナ語の上手い使い方
知っていれば言いやすく、使いやすいカタカナ語。
前回の記事では、カタカナの乱用は聞き手に伝わりにくく、不愉快にさせてしまう可能性があると解説しました。
では、どうしたら聞き手に伝わり、相手を困らせない使い方ができるのでしょうか。
使い方のルール例:
カタカナ語の特性を生かした使い方をするなど、注意しながら上手く活用していきたいですね。
カタカナ語が必ずしも英語とは限らない
カタカナ語は色々な国の言葉から由来していたり、和製英語、日本語が略された言葉もあり、必ずしも英語が由来とは限りません。
レジュメのようにフランス語の意味として使われれいるものもあれば、約束を意味する「アポイント・アポ」はappointmentからきた和製英語です。
また互い違いやあべこべという意味の「テレコ」は、もともとは歌舞伎の世界で使われていた言葉で、カタカナ語でも日本語由来のものもあります。
カタカナ語の由来や元になっている言葉に加えて、由来している英語の意味、英語とカタカナ語との違いも理解することで、正しいカタカナ語と英語の両方を使えるようになりたいですね。
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