2020/08/12更新
分別・再資源化の意義とは?今さら聞けない「建設副産物」のこと
仕事

建設現場では、コンクリート塊や金属くずなど、様々な種類の「建設副産物」が大量に発生します。
積み上げられた建設副産物は、一見使い道のないゴミのように見えますが、再生資源として使えるものも多くあります。
今さら聞けない建設副産物のこと、分別解体・再資源化の意義を再確認しましょう。
建設副産物とは
建設副産物とは、建設工事に伴い副次的に得られた物品のことで、再利用が可能な再生資源及び廃棄物を含む総称になります。
建設副産物
原材料として利用できるものは、再資源化施設や中間処理施設で処理され、再利用されます。
建設リサイクル法
再利用が可能な再生資源も含む建設副産物ですが、「建設リサイクル法」が制定されるまでは分別されず混合廃棄物として多くが廃棄されていました。
建設リサイクル法は、廃棄物の不法投棄や最終処分場の不足などの問題により、平成12年5月に制定されたものです。
建設副産物の廃棄量を抑え、リサイクルする循環型社会の推進を目的としています。
これまで解体工事の主流であったミンチ解体が禁止され、分別解体が義務付けられるようになったのもこの取り組みからです。
分別の意義とは?
リサイクルされた建設副産物は、実際にどのように再利用されているのでしょうか?
コンクリート塊
国土交通省が行った平成20年度建設副産物実態調査によると、コンクリート塊の排出量は廃棄物の中でも一番多い品目です。
年間3,130万トンと、廃棄物全体の約50%を占めています。
排出されたコンクリート塊は中間処理場で、再生砕石(リサイクル砕石)などにリサイクルされています。
再生砕石は、駐車場の整備やレンガ・石畳の基礎として利用されます。
建設発生木材
建設工事で発生した木材は燃料として利用されたり、製紙(板紙)、堆肥、パーティクルボードなどにリサイクルされたりします。
建設廃棄物は年々減っているものの、産業廃棄物の不法投棄のほとんどは建設廃棄物であり、平成23年度の不法投棄量で一番多い割合を占めているのが木くずになります。
建設汚泥
建設汚泥は、河川築堤や盛土、土地造成に使用されたり、骨材やドレーン材などの市販品にも再利用されます。
循環型社会を目指して
建設リサイクル法が制定され、廃棄物の分別が義務付けられてからもうすぐ20年になります。
しかし、建設副産物がどれくらい排出されているのか、どのようにリサイクルされているのかまでは知らなかった人も多いのではないでしょうか?
建設現場では大量の廃棄物が発生するからこそ、分別・再資源化の意義を再確認しましょう。