2023/03/09更新
ニッカポッカVS平ズボン!実際に履いている職人が徹底比較
仕事
職人といえばニッカポッカを履いている、そんなイメージの人も未だにいるのではないでしょうか?
しかし、工事現場に入ると昔ながらのダボダボのニッカポッカを履いている職人はごく少数です。
月に20日以上工事現場で作業している筆者からすると、鳶職(足場を組み立てる職人)が履いているのを見るくらいです。
そのほかの職種は、ほとんどがショートニッカまたは平ズボンです。
今回は、職人である筆者が実際に履き、メリット・デメリットを比べてみました。
ちなみに検証したのは、ショートニッカと伸縮性のある平ズボンです。どちらもワークマンで購入しています。
動きやすいのはどっち?
工事現場で作業着の動きやすさというのは非常に重要です。
特に外部作業の職人は狭い足場を使っての作業が基本になるため、できる限り動きやすい服装で作業したいものです。
動きやすさという点では、ニッカと平ズボンは甲乙付け難いと感じます。
作業ズボンに求められるものは、足を動かすのに妨げにならないという点です。
ニッカはもともと、足を動かせるように幅をもたせて設計されているので、ストレスなく足を動かせます。
一方、一昔前の平ズボンは伸縮性がなく、足を上げるということにとてもストレスを感じ、一日が終わるとニッカよりも疲労があるように感じていました。
しかし、今現在の平ズボンは驚くほど伸縮性があり、ほとんど動きにくいという感じはしません。
それどころかニッカを履いているときに不快に感じていた、足場のクランプ(足場を組み立てる際に使用する材料)に引っかかる、誤って裾を踏んでしまって転びそうになるということがなくなりました。
動きやすさという点では同評価ではあるものの、リスクを考えると平ズボンに軍配が上がりそうです。
結局お得なのはどっち?
作業着は消耗品です。作業用とはいっても、あまりにも汚れれば買い換えが必要になるため、少しでも安く作業着を買いたいと考える人が多いでしょう。
たまに塗装だらけの作業着を着ている職人もいますが、少数派で、大抵職人はきれい好きな人が多い印象です。
さて、価格を見ると未だにワークマンのショートニッカが安いように感じます。
数年前にワークマンでショートニッカが値上げしました。その際には980円だったものが1,280円まで上りました。
現在では1,300円ほどで販売されています。(2023年2月現在)
しかし、伸縮性のある平ズボンは2,950円〜とニッカと比べて倍以上します。
価格だけ見ると、ブランドにこだわらなければニッカの方が明らかに安いです。
なのでコスト面を考え、汚れる仕事(塗装、解体、雨天の場合など)と事前にわかっているときはニッカを履くようにしています。
ただし、ニッカの中でも、ものによっては性能に違いがあります。
例えば、ホームセンターとワークマンのニッカは耐久性が全然違います。ワークマンの方が明らかにもの持ちがいいです。
以前、ホームセンターでニッカを購入したところ、チャックの部分から破断して1ヶ月も持ちませんでした。
それに比べてワークマンのニッカは何年も使用しているものの、使えなくなったという経験は今のところありません。汚れが落ちなくなって捨てたという方が大多数です。
一概にホームセンターのニッカが悪いというわけではありませんが、新しく購入する際には作りや性能も確認しましょう。
そのほかにこんな違いも
昼食時に、ニッカだと店に入りづらい
コンビニもない、弁当も頼めない、そんなときにニッカを履いていたら、入りづらい店は結構あります。
ニッカでファミレスに入って食べている人ってあまり見ませんよね。どんなにきれいなニッカでも場違いな感じがしてなかなか入りづらいです。
昔ながらの少し小汚いラーメン屋だとニッカで入りやすいものの、そんな店を探すのが大変です。ニッカを履いているとこんなデメリットもありました。
職人の世界に入って間もない頃、親方との間でこんな会話がありました。
親方「どこでもいいよ」
私「すぐ近くにファミレスがありますよ」
親方「ファミレスはないだろう、この格好だと入りづらい」
まさに会話のとおり、ニッカだと入りづらいのです。
ニッカを履いているだけで損をしているかも!
現場監督は新築工事であれば近隣の住人、改修工事であれば居住者に、これでもかというくらい気を使います。
クレームを避けるため、できるだけ頼みやすく融通のきく業者を選ぶ傾向にあります。
当然のことながらガラが悪い、怖そうなどは監督からも敬遠されがちです。
今はまだほとんどの鳶職の方がニッカを履いている印象があります。しかし、今後は入る前の段階でははじかれてしまう可能性もあります。
ニッカVS平ズボン メリット・デメリットを比べてみた結果
ニッカと平ズボンを比べてみると、コスト面ではニッカに軍配があがるものの、機能面は平ズボンの進化によりほぼ差はないと言っていいでしょう。
工事現場内での作業面やコスト面だけで捉えると、明らかにこちらが良いというほどの決定的な理由はありません。
しかしそのほかの面、周囲に与える印象では、ニッカだとマイナスの部分が多いように感じます。
今後の建設現場において、職人はスキルを磨く以上に、仕事を依頼する側の目線を持たなければ、安定した仕事の受注が難しい時代になると思います。
よって、建設現場の変化を考えると、時代にマッチしているのは明らかに平ズボンです。
もし、ニッカしか履いていないという職人がいるのであれば、少しずつ平ズボンを増やして行くことをおすすめします。
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