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2019/11/05更新

費用を1/2に!?安全帯は補助金を活用して最新規格に買い換えるべし

仕事

[ 2019年10月17日更新 ]

高所作業をされている方であれば、切っても切れないのが「フルハーネス型安全帯の着用義務化」ではないでしょうか。

厚生労働省が掲げる「第13次労働災害防止計画」で、建設業界の死亡事故で最も多い「墜落・転落」を防ぐために、労働防止対策の重点施策としてフルハーネス型安全帯の着用義務化するとしています。

そのため、2022年1月には現行構造規格の安全帯の着用・販売を禁止されフルハーネス型安全帯へ完全移行される予定です。

命にかかわるものなので安全面を確保したいところですが、安全帯も決して安いものではありません。

そこで朗報なのが、平成31年度の予算が組まれた「既存不適合機械等更新支援補助金」で、補助対象者であればフルハーネス型安全帯と移動式クレーンの過負荷防止装置の改修・買換の経費を一部補助してくれます!

今回は、そもそも既存不適合機械等更新支援補助金とは何なのか、補助対象者と対象機械・器具をまとめてみました。

 

既存不適合機械等更新支援補助金とは

4.1億円の予算が組まれた「既存不適合機械等更新支援補助金」

「既存不適合機械等更新支援補助金」とは、移動式クレーンの過負荷防止装置やフルハーネス型墜落制止用器具などが、最新の構造規格に適合しない場合の改修・買い換えで発生する経費を一部補助される制度です。

厚生労働省の間接補助金となりますので、本補助金事業の執行団体が公募され、決定した執行団体によって審査などが行われ、補助金を交付されます。

補助対象者および補助対象機械・器具はこの後ご紹介します。

 

「安全帯」の名称が「墜落制止用器具」へ

安全帯という名称が法令用語としては「墜落制止用器具」と呼ばれるようになり、今まで安全帯と言われていたもののうち一本つりの胴ベルト型、一本つりのハーネス型がこれに該当します。
U字つりの胴ベルト型安全帯は、墜落を制止する機能がないことから墜落制止用器具には認められていないそうです。
引用:フルハーネス型安全帯の着用義務化。準備は大丈夫? | AIM株式会社

法改正によって2019年2月からフルハーネス型安全帯の着用が義務化され、高さ6.75メートル以上(建設業は高さ5メートル以上)で、例外なく着用が義務付けられています。

一方5メートル未満の作業の場合は、従来の胴ベルト型でも問題はありませんが、2022年1月には従来の規格の安全帯の着用は禁止されるので早めの買い換えがおすすめです。

 

【今年度ラスト】第3回申請スタート、11月19日まで

(2019年10月17日現在)

本補助金事業の執行団体の1つで、建設業労働災害防止協会(以下建災防)が窓口となり補助金申請を行なえます。

第3回申請受付期間:10月16日~11月19日
申請書類提出期限:11月19日(火)消印有効まで

今年度最後の公募となりますので、申請漏れの無いよう余裕をもって準備しておきましょう。
詳しくは建災防のサイトにて、申請方法や申請後のスケジュールが掲載されていますので、最新情報をご確認ください。

 

対象となる器具・機械

移動式クレーンに装備される過負荷防止装置

移動式クレーンに装備される過負荷防止装置(つり上げ荷重が3トン未満)の補助対象となる条件は以下の通りです。

【間接補助対象経費】
以下基準のすべてに適合するよう更新するための改修・買換などに要する経費
  • ① 過負荷となった場合に警報を発し、かつ、停止する機能を有するもの
  • ② (一社)日本クレーン協会規格 JCAS2209-2018「積載型トラッククレーンの過負荷制限装置の基準」に適合するもの

【基準額】
過負荷防止装置1機あたり20万円

【交付額の算定方法】
間接補助対象経費と基準額を比較して少ない方の額の2分の1を交付額とする。なお、複数の過負荷防止装置に係る申請があった場合、同一申請者あたりの交付額の合計は30万円を上限とする。

 

フルハーネス型墜落制止用器具

フルハーネス型墜落制止用器具の補助対象となる条件は以下の通りです。

【間接補助対象経費】
以下基準のうち2項目以上に適合するよう更新するための改修、買換などに要する経費
  • ① フルハーネス背面の2本のベルトが「背中X字腿V字型」であるもの
  • ② 通常のランヤードに加え、追加のランヤード又は補助ロープを装備しているもの
  • ③ ロック装置付き巻取器をランヤードに備えているもの
  • ④ 墜落制止後の股ベルトの食い込みによる血管や神経の圧迫(サスペンショントラウマ)を防止するためのストラップを装備しているもの
  • ⑤ ワンタッチバックルを備えているもの
  • ⑥ 視認性を高めるためにフルハーネスに反射板等を備えているもの

【基準額】
フルハーネス型墜落制止用器具1本あたり2万5千円

【交付額の算定方法】
間接補助対象経費と基準額を比較して少ない方の額の2分の1を交付額とする。なお、複数のフルハーネス型墜落制止用器具に係る申請があった場合、同一申請者あたりの交付額の合計は50万円を上限とする。

 

補助対象者

申請者から申請された補助金が予定額を上回った場合、加点基準で交付される優先度が決まります。

加点基準は以下の通りです。

【過負荷防止装置に対する間接補助金に関する加点基準】
  • ① 事業場規模:労働者数が少ない方を優先して加点する。
  • ② クレーン等の能力:つり上げ容量が大きい過負荷防止装置を優先して加点する。
  • ③ 追加安全措置:次に掲げる追加安全措置を多く装備しているものを優先して加点する。
      ・ 遠隔操作機能を有するもの(安全性が確保されているものに限る。)
      ・ 警報用三色灯を備えているもの
  • ④ 過負荷防止装置の製造年月:新しいものを優先して加点する。

【フルハーネス型墜落制止用器具に対する間接補助金に関する加点基準】

  • ① 主たる業務:鳶等、高所作業の頻度が高い職種を優先して加点する。
  • ② 事業場規模:労働者数が少ない事業場を優先して加点する。
  • ③ 追加安全措置:前述した「補助対象経費」の①から⑥に掲げる追加安全措置を多く備えているものを優先して加点する。

補助対象として優先的に交付されるのは対象の機械・器具を経費で改修・買換をする中小企業の社員や、労災保険に特別加入している一人親方です。

ただ特に一人親方に気を付けてもらいのは、補助の適用審査を迅速化するため、補助対象経費が20万円を下回る申請は認められないことです。

なので一人親方が補助を申請する場合は、複数人で共同申請する必要があります。

▽詳細はこちら
参考:既存不適合機械等更新支援補助金事業実施要領 | 厚生労働省
参考:既存不適合機械等更新支援補助金交付要綱 | 厚生労働省

 

まとめ・申請はこちら!

フルハーネス型安全帯の着用義務化により、従来規格の安全帯は2022年1月2日から全面的に禁止されます。

補助制度を活用して、最新の構造規格の機械・器具で安全に作業しましょう!

▽「既存不適合機械等更新支援補助金」の申請はこちら(建災防サイト)
参考:既存不適合機械等更新支援補助金 | 建災防

 

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この記事を書いた人

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