2021/12/21更新
建設系CADオペレーターとは?必要な資格やスキルやメリットまとめ
仕事
モノづくりに関わる仕事として、CADオペレーターは身近ですよね。
しかしそのCADオペレーターにも色々種類があることをご存知でしたか?
今回は建築系CADオペレーターについて詳しく解説します。
この記事を読めば、建築系CADオペレーターについて詳しくなるとともに、必要な資格やスキルやメリット、建築系CADオペレーターからさらにキャリアアップするヒントなどについて詳しくなれます。
建築系CADオペレーターとは?
そもそもCAD (=Computer-Aided-Design コンピュータエイディドデザイン)とは、パソコンを使った設計補助のことです。
つまり建築系CADオペレーターは建設業界において、主に設計補助の仕事を担当します。その業務内容は以下の通りです。
- 設計者が作成した図面の読み解き
- 図面の編集や修正、注釈の挿入
- 図面同士の整合性の確認
- 平面図や断面図や展開図の作図やトレース
- 設計に関する知識や専門用語
これらの作業をするにあたり、設計者の話を理解できる必要があります。
そのためには建築に関する基礎知識は必要です。時には電気や空調やインテリアプランニングなどの専門的知識が必要になるときもあります。
Office系ソフトなどPC全般の基本的操作、電話応対などの事務作業もこなせると好ましいです。
高層ビルやマンションや橋梁や道路など、構造物には様々な種類があります。
そして図面には意匠図や構造図、施工図、設備図など、さまざまな種類の図面があります。
建築系CADオペレーターが活躍できる領域は広く、必要な知識はその時々によって変わると言えます。
建築系CADオペレーターに関連する資格
建築系CADオペレーターに必要不可欠な資格はありません。
しかし以下の資格があるとある程度は能力の証明となり、転職などにおいて有利になる可能性があります。
2次元CAD利用技術者試験(1級・2級)
2次元CAD利用技術者試験は、CADの基礎知識や図面理解、CADを利用した作図技能にまつわる試験です。
この試験は建築設計事務所の住宅設備メーカー関係者のみならず、CADインストラクターや設計者やオペレーターなどにとって有益です。
2級の試験はCADの基本機能や、図面データにまつわる基本的知識のテストです。設計や製図、CADシステムの運用やデータ管理などに従事する方を対象としています。
1級の試験は、設計製図にまつわる実務経験か就学経験が1年以上ある人を想定したテストです。
将来的には設計者あるいはオペレーターの管理業務を目指す方を対象としています。実技問題と専門知識の両方が問われます。
建築CAD検定(准1級・2〜4級)
建築CAD検定は、図面の作成およびトレースに関する試験です。CADの知識のみならず、実務能力が試されます。
4級および3級は、CADトレース技術者としての実務能力を問うテストです。
設計者から詳細な指示をもとに、建築設計図を作成できるかどうかが評価されます。
設計者からの詳細な指示は、試験の参考図として渡されます。作図方法を判断して、CADに関する最低限必要なコマンド操作を十分に扱いこなせるかどうかが問われます。
2級は、一般建築図を作図できるCAD技術者としての実務能力を問うテストです。
設計者から渡された図面のラフスケッチを元に、CADで一般建築図(平面詳細図および南立面図)を作成できるかどうかが評価されます。
設計者からのラフスケッチは、試験の参考図として渡されます。図面やCADにまつわる基礎知識、作図にまつわる技能の正確性とスピード、建物の形状にまつわる想像力が問われます。
准1級は、建築CADのスペシャリストとしての実務能力を問うテストです。
建築図面やCADシステムに関する知識、CAD操作の正確性やスピード、図面にまつわる背景や作図工程全体を読む力などの総合力が評価されます。
すなわち、実務上のあらゆる課題において、的確かつ正確に対応できるかどうかが問われます。
なお、建築CAD検定には1級がありません。
全国建築CAD連盟の公式サイトによると、1級相当の人材は「設計組織におけるCAD管理者の役をこなせる人」となるそうです。
建築設計図に関する知見、複数のCADシステムや他ソフトをデータ変換ふくめ縦横無尽に操作するスキル、サーバーやセキュリティ含めたネットワーク技術の知見なと、CAD周辺をふくめた十分な知識と操作能力を併せ持つ人を想定しているそうです。
しかし、それだけの人材を評価できる環境が未だ整っていないため、1級試験は存在しないそうです。
CAD実務キャリア認定試験 (CADアドミニストレーター認定試験/TCADs 建築部門)
CAD実務キャリア認定試験は、CAD利用に関する実務的な技術と技能を問う試験です。
その中でもCADアドミニストレーターおよびTCADsは、建築系CADオペレーターにとって特に有益といえます。
CADアドミニストレータ認定試験は、図形の基礎知識や作図能力、およびCADの操作技能といった基礎力を問う試験です。
一方で、TCADs 建築部門は、学科試験(JIS製図および建築製図の基礎知識)ならびに実技試験 (建築物の平面図や断面図や立体図の作成)から成り立つ試験です。
建築系CADオペレーターに必要なスキル
建築系CADオペレーターに必要なスキルとは何なのでしょうか?基本的なレベルに限定すると、それは以下3つのスキルだと言えます。
PC全般の基本操作
Office (Word, Excel, Outlook, Powerpoint など)はもちろん、電話応対などといった基本的事務スキルは必須です。
建物の設計者といった複数人の関係者とやりとりするのに、PC全般の基礎スキルは必要です。
建築に関する専門知識 (図面や設計やCADなど)
設計図をもとに、CADデータを作成するうえで、図面に関する知識は必須です。
建築や設計、機械や電気や空調に関する知識には時には必要かもしれません。設計に関する専門知識があれば円滑にコミュニケーションできます。
図面のミスを発見したり、設計者の意図を読み解くうえでも、建築に関する専門知識は必要だと言えます。
コミュニケーションスキル
図面あるいは口頭でうけた指示に建築系CADオペレーターは対処する必要があります。
ある時には詳細な指示、ある時にはラフスケッチで指示をうけるため、コミュニケーションスキルは必要です。
建築系CADオペレーターのメリット
建築系CADオペレーターのメリットは以下の通りです。
独学でも習得できる
各種資格や対策テキストなどがが充実しており、独学でも習得できます。専門職であるにも関わらず敷居が低いのは魅力的な点だと言えます。
一般的事務より時給が高い
たとえ派遣だったとしても、一般事務に比べて高時給であるケースが多いです。一般事務で生計を立てている人がステップアップに選ぶにも向いてます。
十分に実務経験を積めばフリーランスにもなれる
建築系CADオペレーターは建築やCADに関わる知識が多方面に求められます。スピーディかつ正確に作業できる人ならば、フリーランスとしても生計をたてていける点も魅力的です。
年収をあげるために必要なことは
年収をあげるために必要なポイントは、スピードと正確さそして対応できる業務範囲を増やすことにあります。
スピードをあげるには何度も繰り返し練習することをおすすめします。
正確さをあげるには疑問点が出た場合はすぐに確認したり、実務経験を重ねると良いでしょう。
また、対応できる業務範囲を増やすには、複数のスキルや資格を獲得すると良いでしょう。その例としてはDTPやBIMといったスキルが挙げられます。
DTP(=Desktop publishing デスクトップパブリッシング 卓上出版)のスキルがあると、作成したデータを印刷物として出力できるでしょう。
BIM(=Building Information Modeling ビルディングインフォメーションモデリング 建築情報の構造化)のスキルがあると、最初から3次元でモデリングできるようになります。
建物の強度計算やコスト計算といった、より広範囲の業務を請け負えます。
一般的な建築系CADオペレーターの時給が1600円程度なのに対し、BIMオペレーターの時給は2000円程度になることも珍しくありません。
長期的な観点で考えると、事務作業に近いCADオペレーションの業務でなく、より難易度の高い資格を取ることがおすすめです。
たとえば、3次元CADや2級建築士の資格を目標にすると良いでしょう。
建築系CADオペレーターはより上流の仕事を目指しやすい
建築系CADオペレーターは、勉強さえすれば未経験でも比較的就きやすい仕事です。
そのうえ、より上位の職種への道も望めます。手先を動かすのが好きな人、真面目な人、コツコツした作業が好きな人には向いていると言えます。
資格やスキルを修めて、より稼げる建築系CADオペレーターになると、より多くの働きがいが望めると言えそうです。
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