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2022/07/27更新

設計士と何が違う?音のプロフェッショナル音響設計士とは

仕事

 
より良い音環境作りや音のトラブル対処などに関わる音響設計士。
いまいち聞き慣れない職業かもしれませんが、意外と私たちの身近なところに関わっています。

  • 音響設計士はどんなことをするの?
  • どうすれば音響設計士になれるの?

 
この記事ではこういった内容について解説していきます。
 

音響設計士とは

音響設計士とは、読んで字の如く、音響の分野に精通した設計士のことです。
いくつか仕事の内容を例に挙げてみましょう。
 

コンサートホールの設計

音響設計と聞いて一番わかりやすいのは、コンサートホールの設計ではないでしょうか。

この場合、音響設計士の仕事は、コンサートホールの形状や材料の選定がメインです。

コンサートホールの形状はデザイン性はもちろんですが、音の響き方にも大きな影響を与えます。
ホールの残響音の性質を決める部分となり、とても重要なところです。
形状を決めるのはとても難しく、多くの経験と知識が必要な作業になります。

また、材料によっては音の響く時間や、響く音の残り方も変わってきます。
これらを設計するために音響シミュレーションを行ったり、実際にホールの縮尺模型を作って音響測定を行います。

これは、コンサートホールの設計の仕事の一部です。
 

騒音制御

コンサートホールのような「良い音を作る」のとは逆に「音を遮断する」という仕事も音響設計士の仕事です。

どちらかといえば、こちらのほうが身近なところに関係してくるのではないでしょうか。

例えば「隣の部屋がうるさい」「電車や工事の音・振動がうるさい」など、近年増加傾向の音のトラブルがあります。

音響設計士はこれらの問題に対して、壁の素材や構造を見直して防音性能を上げる設計をしたり、振動源から防振ゴムなどを介することで振動が伝達しないよう設計するなどして、部屋の居住性を向上させます。

近年では電車の高架下に商業施設や幼稚園など建物を新設するケースがよくみられますが、それは騒音制御の技術が向上したことによって実現できたものなのです。
 

騒音測定

音響設計士が一般的な設計士と大きく異なるのは、設計をするだけでなく音響測定と解析作業も行う点です。

騒音源の位置の特定や、騒音が低音か高音かを特定することで、その騒音に一番適した対処方法を提案します。

騒音の防ぎ方は、適材適所に行うことが費用面でとても有効です。
 

音響設計士になるには?

音響設計士は、建築士や施工管理技士などとは違い、資格が定められているわけではありません。

しかし音響設計士として働くには、専門的な知識が必要とされます。
どうすれば音響設計士として働くことができるのでしょうか。
 

建築音響分野に精通した大学へ進学する

まずは、音響の分野が学べる環境に進学することが重要です。
基本的には建築分野なので、大学でいえば建築学科に進学するといいでしょう。

しかしどの大学でもいいというわけではありません。
大学によっては建築デザインが得意だったり、構造設計が得意だったりと、学校によって多種多様な教育方針があります。

音響設計士を目指すのであれば、大学の研究室選びがとても重要な鍵を握っています。

建築音響の分野を学べる大学を見つけるには、「建築学会」の音響分野や、「音響学会」の参加者を調べてみる方法がおすすめです。

大学の名前や研究室の教授の名前などが載っていることが多いので、そういったところから検索するといいでしょう。
 

音響分野を得意とする設計会社に就職する

音響設計といっても、最初に解説したように多種多様な仕事内容があります。
一般的な音響設計会社以外にも、音響設計士として活躍できる場がいくつかあります。

まずはゼネコン関係です。
特に大手ですと、自社の研究施設や音響測定施設を持っていることが多くあります。
そういったところで音響のプロフェッショナルとして働くこともできます。

次はハウスメーカーです。
これもゼネコン同様に研究施設を持っている会社が多いです。
近年は集合住宅の普及により騒音問題が顕著になっており、ハウスメーカーは防音性能の向上に日々精を尽くしています。

居住性能の向上に携わることができるやりがいのある仕事だと思いませんか?

ほかには自動車メーカーなどにも音響を仕事にする人がいます。
自動車も静かで居住性が求められたり、振動の伝搬が少ないのが好まれる傾向にあり、建築音響の分野と近い部分があります。

実は、建築音響はとても幅広い分野で活躍できる技術士なのです。
 

関連する資格をとる

先述したように、音響設計士になるための資格というのは特にありません。

ですが一部企業などでは、資格を重視するところもあります。
いくつか関連する資格を紹介します。

まずは建築士です。
よく一級建築士や二級建築士と言われるものです。

コンサートホールの設計、スタジオや住宅の設計などに携わりたいという人は、建築士の資格をとると良いでしょう。

保有していなくてもその仕事をすることはできますが、理解度を深めたり、より詳細な設計を自分の手で行いたいというのであれば、取得するのが一番です。

次に環境騒音・振動測定士です。
こちらは聞き馴染みがない人が多いと思いますが、騒音コンサルタントや振動解析をする会社などでは、取得を推奨していることがあります。

音響関係に直接関わる資格は結構少ないので、その道で将来的に進むのであれば取っておいて損はない資格です。
 

音響設計士の仕事は幅が広い

音響設計士としての仕事についてなんとなくわかっていただけたでしょうか。

音響といってもとても幅が広く、ここでは紹介しきれない業界の仕事も実はたくさんあります。

音響設計士が具体的にどんな仕事をしているか、もしもっと深く知りたいのであれば企業のホームページや論文などを参考にするのがいいでしょう。

特に論文に関しては、最初は調べ方が難しいかもしれませんが、最も端的にわかりやすく解説している資料でもあります。是非インターネットを駆使して見つけてみてください。
 
 

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BUILD編集部

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