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2022/08/05更新

手に職をつける!左官業の仕事内容や職人になるためのコツ

仕事

 
建設業の中で「左官とはどんな仕事なのか」と、聞かれることがよくあります。
事実、何となくは知っていても、深い作業内容までは知らないという人がほとんどではないでしょうか。

手に職をつけたい、左官業に興味があるけど実際どういったことをするのか知りたい人などへ向けて、左官業の仕事内容と職人になる方法、技術向上のためのコツを紹介します。

左官業は建築業界の中でも需要が高く、今後も無くなることがないと言われています。
しかし、職人の年齢層が高いこともあり人材不足に悩み、多くの現場で左官職人が求められています。

左官で働いてみようと考えている人、またはすでに職人として道を歩み始めた人は、ぜひ参考にしてください。
 

左官とは

左官とは、鏝(コテ)を使って壁や床をきれいに仕上げる全般の仕事になります。

代表的な仕事としては漆喰がありますが、駐車場や外壁をコンクリートまたはモルタルなどで作るのも左官の一種です。

ただ見栄え良く仕上げるだけではなく、マンションの外壁であるタイルの下地など、見えない部分にも左官の技術が用いられています。

建造物から駐車場などの外部まで、全てにおいて左官の技術が必要とされており、今後もなくなることがないであろう専門職の一つです。
 

左官業の仕事内容

左官といっても幅広い仕事があるため、一概に「鏝を使う」といった言葉だけで説明できる簡単な内容ではありません。

一つずつ詳しく解説していきましょう。
 

鏝を使って壁を作る

 
基本とされる左官の仕事は、鏝を使って壁を作ることです。
その中にも以下のような種類があります。

  • 土壁
  • 化粧壁
  • 下地作り

 
土壁は昔ながらの家によくある砂や土で作られた壁のことで、現在ではなかなか見かける機会も少なくなってきました。

ただし、実際には「昔の建物を残したい」という人が土壁の補修ややり替えを求めるケースが多くあります。

化粧壁とは、モルタルや塗り材を使って鏝できれいに仕上げる仕事内容です。
その後に手を加えることがなく一生残るため、左官の腕の見せ所とも言われています。

もう一つの下地作りとは、その名の通り塗装やタイル張りの前の下地を作ることです。
ブロック塀やコンクリートの外壁などあらゆる場面で必要とされる仕事となり、意外と一番多いのがこの下地作りとなっています。
 

漆喰は左官職人の技術

 
左官の仕事の代表格としてあるのが漆喰です。

漆喰とは、消石灰という素材を使って壁を塗ることで、左官職人がさまざまなパターンを描くように、きれいに仕上げていきます。

模様をランダムに作っていくため、一度塗られたデザインは世界に一つしかありません。
同じ模様という壁が1つもなく、左官の技術が際立つ仕事内容となります。
 

モルタルとコンクリートを綺麗に仕上げる

 
モルタルを使って壁を塗るのは先ほどでも紹介しましたが、コンクリートを使って床を仕上げることもあります。

コンクリートを用いた仕事内容としては、駐車場や店舗の床など、基礎の部分となる土台を作ることが多いです。

左官の中でも床をコンクリートで仕上げるのはきつい仕事で、セメントが固まるまでは気を休めることができません。

コンクリートはモルタルと違って骨材が入っているため、一度施工すると手直しするのに時間と莫大なお金が必要になります。
やり直しができない仕事とも言われており、現場責任者が特に重要視している仕事の一つです。

左官業でも一番大変な仕事とされているため、床コンクリート仕上げの専門職人を集めた土間屋と呼ばれる業者も存在します。
 

タイル張りも左官の仕事

 
左官の仕事では、タイル張りも行うことがあります。

昔はタイル張りは左官の仕事でしたが、マンションやビルなど大きな建物が増えたこともあって専門業者が増えました。

ただそれでも、小さな建物や簡易的な床などは、左官がタイルを張ることも多いです。

左官職人で一人親方として作業している人は、タイル張りの仕事に呼ばれることも少なくありません。

逆にタイル張りを専門としていた人が左官の手伝いとして仕事をする場合もあります。
どちらもできるようになると、左官職人として需要が大きくなります。
 

左官職人になる方法

左官職人になる方法は、主に2つあります。

それぞれの特徴を紹介するので、それを踏まえて検討するといいでしょう。
 

求人を探す

 
左官職人になるためには、左官専門の工務店の求人を探してみましょう。

左官は若者が少ない業種として慢性的な人手不足に悩んでおり、多くの工務店が求人を出しています。
未経験でも受け入れてくれる会社が多く、やる気さえあれば問題ありません。

左官職人として工務店で働く場合の特徴は以下の通りです。

  • 社会保険制度が完備している
  • ビルやマンションなど大きな現場が多い
  • 職人の先輩のほとんどが50~60代の可能性がある
  • 数年は鏝を使っての作業をさせてもらえないことも

 
工務店で働くメリットは、社会保険制度に加入しているケースがほとんどです。
会社としての信頼性が高いため、長く安心して働くことができます。

ただし、職人の年齢層が高い可能性があり、工務店の規模によっては従業員が多く、最初の数年は鏝を使っての経験が積めないかもしれません。
 

左官職人に弟子入りする

 
もう一つの左官職人になる方法は、左官職人に直接弟子入りすることです。

俗に言う親方と呼ばれる人たちが、個人で数名の職人を抱えて作業しているケースもあるため、弟子入りさせてもらってもよいでしょう。
左官職人に弟子入りしたい場合には、建設業の知り合いを探して聞いてもらうのが一番最適です。

左官はさまざまな業種で必要とされる仕事であるため、どこかしらで繋がっていることが多くあります。

左官職人に弟子入りした場合の特徴は以下の通りです。

  • 社会保険制度に加入していない会社の可能性が高い
  • 個人住宅や小さな店舗など、小規模な現場が多い
  • 職人の先輩が30~40代くらいの若い年齢層の人もいる
  • 鏝を使っての仕事を早くからさせてもらえる

 
左官職人に弟子入りする場合は、個人として活動しているため社会保険制度に加入していない可能性が高くなります。

そして小規模の現場が中心となりますが、鏝を使っての仕事を早くからさせてもらえることが多いです。

職人の人数が少なければ早くから戦力として育てたいと考えるため、親身になって教えてくれる親方もたくさんいます。
 

左官で技術向上するためのコツ

左官で必要な鏝の技術から学び方まで解説していきます。

職人を目指している人は参考にしてください。
 

鏝を使うコツを掴む

 
左官で技術向上するためには、鏝を使うコツを掴むことです。
鏝といってもさまざまな種類があり、すべてに置いて使い方と用途が違います。

まず最初に鏝のコツを掴むためには、一般的な「塗り鏝」の使い方から始めてみましょう。

最適な練習方法は、土と水、そしてスサという繋ぎに使う材料を混ぜてベニヤなどに塗りつけてみることです。

これらの材料は硬化することがないため、繰り返し練習できます。

もう一つ練習しておいた方がよいのは、床などで使う「磨き鏝」です。

左官は壁だけではなく床塗りの作業も多いため、床にベニヤを敷いて先ほどの材料を使って練習したり、砂場でも簡単な鏝の使い方は習得できます。
 

職人の技術を見て学ぶ

 
昔から職人の世界で言われているように、見て学ぶことも大切です。

ただし、左官の場合は見るだけで技術を学ぶことはできません。
先輩の技術を目で盗み試してみる」を繰り返していきましょう。

そもそも鏝の使い方は見るだけで盗めるような簡単な技術ではありません。

反復練習が一番大事となってくるため、見て盗んだ技術はすぐに実践することが大切です。
 

現場経験を積む

 
左官の技術向上のためには、現場で経験を積むことが一番です。
ただし、現場での作業はお客様に渡す大切な物件であるため、中途半端な仕事ではいけません。

日ごろから小さな作業まで目を配り、一つずつ技術を身に付けていくことが大切です。

セメントや漆喰の硬化するタイミング、塗り壁の材料がはがれない技術、下地として平らにするよう定規を擦るなど、覚えることはたくさんあります。

左官はやり直しがきかない仕事と言われており、最初は失敗や分からないことも多いでしょう。

ただし、経験を積むことで必ず技術を身に付けられる仕事でもあります。
毎日の現場の中で起きたことを予習復習しながら経験を積むことが、技術向上のコツです。
 

左官技能士の資格を取得する

 
技術向上のためには、左官技能士の資格を取得してみるのもよいでしょう。

左官技能士には3級、2級、1級があり、それぞれ現場経験が必要になります。

実技試験があるため、技術が身に付くことはもちろんですが、それよりも大きなメリットとして学科試験で知識が豊富になることです。

知識が豊富になることは技術向上に大きく関わってきます。

建築構造やあまり知られていない施工方法も身に付くため、いずれ独立したいと考えている
人はぜひ左官技能士を取得してみましょう。
 

左官で技術向上するには経験を積むのが一番

左官は鏝を使ってする仕事と解説してきましたが、職人として作業していくために必要になるのは経験です。

細かな知識は経験からでも十分身に付くため、繰り返し作業をしていけば誰でも左官職人になれます。

左官は基礎から仕上げまで建設業では欠かせない業務であり、仕事がなくならないだけでなく人材不足で困っているのが現状です。

手がけた作業はそのまま残り、見た目に関わってくる重要な仕事ですが、綺麗に仕上げることは楽しく、やりがいもあります。

もし左官に少しでも興味がある人は、職人の道を目指してみてはいかがでしょうか。
 
 

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BUILD編集部

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