2023/06/16更新
ちょっと体を動かしたら…!筋肉痛になる理由と早く治す方法
健康
日々の仕事の上で慣れない作業をしたり、子どもと一緒に遊んだりすると起こりがちな筋肉痛。
普段の作業にも体がこわばってしまい支障が出てしまうことがあるので、悩みものですよね。
そもそもなぜ、筋肉痛は起こるのでしょうか。
筋肉痛を翌日に響かせないためにも、早く治す方法を知っておきたいですよね。
そこで、筋肉痛になるメカニズムや、早く治すための対策を紹介します。
目次
筋肉痛の種類
筋肉痛は、主に2種類あります。
即発性筋肉痛
運動した直後や運動しているときに起こる筋肉痛のことを、即発性(そくはつせい)筋肉痛と言います。
筋肉が熱く、重い感覚になるような痛みを感じるのが特徴です。
筋肉の内側で、疲労物質である水素イオンが発生し、イオンバランスが崩れて筋肉が酸性に傾くことが直接の原因だと言われています。
事務仕事などのデスクワークで長時間同じ体勢をしていると、痛みやだるさを感じるのも即発性筋肉痛の症状の一つです。
遅発性筋肉痛
一般的に筋肉痛と言えば、こちらの遅発性(ちはつせい)筋肉痛のことを指します。
運動のなかでも伸張性収縮(エキセントリック収縮)や、激しい運動を行うと数時間後に痛みが現れるのが特徴です。
筋肉を伸ばす行動が、主に筋肉痛になる要因だと考えられており、例えばベンチプレスやスクワット、坂道を下るなどが該当します。
痛みのピークは2〜3日後であり、5〜7日後には消失するとされています。
なぜ筋肉痛になるのか
筋肉痛のメカニズムは、実は医学的にははっきりと解明されていません。
以前は、運動したときに生じる疲労物質の乳酸が原因という説がありました。
しかし現在では、運動によって傷ついた筋肉を構成している線維(=筋線維)を修復しようとするときに起こる炎症による痛みであるという説が有力となっています。
普段使わない筋肉を突然使ったり、同じ筋肉を使いすぎたりすることで、筋線維に傷がつき、損傷した筋線維を修復するために白血球を中心とした血液成分が集まります。
このときに炎症が起き、刺激物質が筋肉を包んでいる膜を刺激し、感覚中枢から痛みとして感じると言われています。
筋線維そのものには痛みを感じる神経は通っていないので、炎症してから感覚中枢へ刺激が届くまでに時間が生じるので、筋肉痛は遅れてやってくると考えられています。
年齢と筋肉痛
ちなみに、歳をとると筋肉痛になるのが遅くなるというのは、関係ないと言われています。
運動の種類や、どれくらい体に負荷がかかったかなどの運動の強度で、筋肉痛になるタイミングが変わります。
例えば、運動強度が低いジョギングや水泳などは、筋肉痛になるタイミングが遅く、筋肉に負荷が強くかかるような筋力トレーニングなどは筋肉痛になるのが早い傾向にあります。
超回復とは
激しい運動やトレーニングなどで体にストレスがかかることで、筋線維を軽度損傷します。
その後、適切な休息をとることで筋肉がより強い筋肉を作ろうと回復していき、その結果として筋力の向上などが見込まれます。
この現象を「超回復」と言い、遅発性筋肉痛はこの超回復の行われる準備期間だとも言えます。
超回復するには、しっかりと休息をとることも大切で、特に強い筋肉痛があるときは無理に動かさないようにしましょう。
▽筋肉痛のときのトレーニングについてはこちら▽
筋肉痛を早く治す方法
超回復を期待するものの、筋肉痛が長く続くのは日々の生活に支障が出てしまいます。
できるだけ症状を緩和する方法を紹介します。
アイシング
激しい運動やトレーニングの後、筋肉が痛くなり熱を持つ即発性筋肉痛が起こっている場合は、冷やすことが大切です。
筋肉を保冷剤などで冷やすことで、筋肉の炎症を抑えたり感覚中枢への伝達速度を抑えることができます。
1回あたり10〜20分を目安に患部を冷やしましょう。
ただし冷却することで、体全体が冷えてしまい、血流を悪くすると筋肉の回復が遅くなります。
連日冷やすのではなく、炎症している患部だけを短時間アイシングするようにしましょう。
ただし、熱を持っていないような筋肉痛の場合は冷やす必要はありません。
ストレッチ
激しい運動やトレーニングの後は、筋肉がかたくなり血流が悪くなっていて、それが痛みの原因にもなっています。
血行をよくするため、体をゆっくりとのばす軽いストレッチや、ウォーキングなどの運動を行いましょう。
筋肉をほぐし体全体の血流をよくすると栄養が血液に流れやすくなるので、回復を促すことができます。
また、運動する前にもストレッチをすることで、筋肉痛の予防にもなります。
運動や現場作業する前後には、ラジオ体操第一などの軽めのストレッチを取り入れて、ゆっくりと筋肉をほぐすようにしましょう。
▽ラジオ体操についてはこちらをチェック▽
血行促進
ぬるま湯(39℃前後)にゆっくり浸かって全身を温めて血行を促進することで、筋肉痛の回復に効果が期待できます。
即発性筋肉痛など激しい痛みがある場合は、アイシングで患部を冷やした後、熱が引いてから温めましょう。
ぬるま湯のお風呂で体を十分に温めることで、血液が筋肉の回復に必要な酸素や栄養分を運んでいくだけでなく、新陳代謝も促進されて回復が早くなります。
ただし、運動直後の熱を持った状態で行うと、全身の血流がよくなりすぎて、酸素や栄養が回復したい筋肉だけに送られず、回復に遅れが生じます。
運動後数時間程度おいてから行いましょう。
十分な睡眠
体の疲労回復全般において、良質な睡眠を取ることは大切です。
筋肉が傷ついている期間において短時間睡眠を繰り返すと、筋肉の回復の妨げとなり、超回復の効果も薄くなります。
最低でも6〜8時間の睡眠を確保し、筋肉を休ませましょう。
栄養の取れた食事
外的要因から筋肉痛を和らげる方法のほかに、内側からも早く治す方法があります。
筋肉を構成するタンパク質や、疲労回復に効果のあるビタミンB1を中心とした食事をとることを心がけましょう。
超回復を待つ間にタンパク質を摂ることで、より効果的に筋肉増強ができるほか、筋肉痛を早く回復する効果が期待できます。
タンパク質は、肉・魚・大豆・卵・乳製品に含まれます。
しかし、これらの食品を摂りすぎると摂取カロリーが高くなってしまう恐れがあります。
プロテインを利用するのも◎です。
ビタミンB1は、豚肉や鶏肉、そしてレバーなどに豊富に含まれています。
また、レバー・卵・プロセスチーズなどに含まれる亜鉛などの栄養素も、筋肉の修復・再生の効果があります。
▽亜鉛についてはこちら▽
筋肉痛を早く治すほか、筋肉をつける意味でもバランスのとれた食事を心がけましょう。
正しく治して筋肉を労わろう
正しくケアしてあげれば、筋肉痛が早く治るだけでなく、筋肉をつけることが期待できます。
筋トレや運動の前にもストレッチをするなど、筋肉に急激な負荷をかけないようにするのも筋肉痛にならないための方法の一つです。
また日頃から運動を行えば筋繊維が太くなっていき、筋肉痛になりにくくなります。
無理のない範囲で、筋肉を鍛えていけたらいいですね。
*参考元:第一三共ヘルスケア くすりと健康の情報局 筋肉痛の原因
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