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2020/07/31更新

クレーン玉掛け作業とは?国家資格取得と作業時の注意点について

仕事

クレーンを使用し重量物を吊り上げる際に玉掛けという作業を行います。
『玉掛け』と『玉掛』の表記が混在していますが、現在法令改正により『玉掛け』が正式表記となっています。

もしクレーンが原因の事故が発生すれば最悪の場合、死亡事故に繋がることもあります。
そのため正しい知識の習得または資格を取得することと、玉掛け作業時の安全確認が非常に大切です。

 

玉掛け技能講習について

使用するクレーンの最大吊り上げ荷重が1トン以上となる場合は、玉掛け作業の資格が必要となります。
注意すべき点として吊り上げる荷が1トン以下でも、使用するクレーンが吊荷重1トン以上の場合では資格が必要となります。

そのため1トン以下のクレーンで荷が吊荷重以下であれば資格は必要ありませんが、正しい知識を習得し作業することが大切です。

玉掛け技能講習は国家資格となり、建設業をはじめとして様々な場面での活躍ができ、作業の幅も広がります。18歳以上で取得可能なため、資格取得を目指して損は無いはずです。
 

受講時間19時間に該当する受講者

誰でも受講可能で受講日数は3日間。
 

受講時間16時間に該当する受講者

移動式クレーン、デリック、1トン以上のクレーン、揚貨装置の玉掛け補助作業6カ月以上の経験がある者が受講可能で受講日数は3日間。
 

受講時間15時間に該当する受講者

移動式クレーン、またはデリックの運転士免許を取得しており、小型移動式クレーンまたは床上操作式クレーンの技能講習を修了している者が受講可能で受講受講日数は3日間。
 

玉掛け技能講習の流れ

受講日数のうち2日間は学科試験、残り1日間で実技試験の流れとなります。
学科試験ではクレーンに関する知識、玉掛け作業に必要な力学の知識、玉掛けの方法、玉掛けに関係する法令についての出題となります。
実技試験では実際に玉掛け作業、クレーンの運転の合図が出題内容になります。
試験の難易度としてはかなり低く、しっかりと受講内容をきいていればほとんどの方が合格するようです。
試験費用も2万円程度と安価のため、資格取得することを推奨します。

 

玉掛け作業に使用する道具

実際に作業を行う際に使用することの多い道具として、細いワイヤーをより合わせたワイヤーロープや、合成繊維で作られたベルトスリング等になります。
いずれの道具も最大耐荷重を厳守して使用しなければなりません。

また使用する前は必ずワイヤーの素線切れが無いか、またベルトスリングは擦れて著しく摩耗していないかを必ず確認し、安全な道具を使用して玉掛け作業を行わなければいけません。

クレーン事故では使用していたワイヤーロープやベルトスリングの点検が不十分であったために、吊り上げている荷が落下し、死亡事故に繋がってしまった例もあります。

玉掛け作業中、クレーンでの移動中は必ず周辺の作業員への声掛けと吊り上げている荷の下には絶対に入らないようにしましょう。

 

玉掛け方法について

玉掛け作業にあたり吊り荷の質量、形状と数量に合わせて最適な吊り具と玉掛け方法を選ぶことが重要です。
今回は基本的な注意点をまとめてみました。
 

ワイヤーロープでの一本吊りは原則禁止

一本吊りでの玉掛けの場合荷が回転する恐れがあります。そのため原則避けるようにしましょう。
 

長物、小物、変わった形状の吊り荷の玉掛け方法

長物の場合、吊り荷の中心を基本に考えるのではなく、吊り荷の質量の中心に玉掛けを行うことに注意が必要です。
また小物の場合はメッシュパレットやワイヤモッコを使用して落下の可能性の低下と作業性の向上を図ります。
そして形状の違う吊り荷を同時に玉掛けを行うのは避け、形状ごとに仕分けを行わなければいけません。
 

荷が揺れてしまった場合

吊り上げた際に荷が揺れてしまうことを荷振れといいます。
荷振れの際は揺れを止める必要がありますが、直接手で止めてしまうと荷と作業員が衝突する可能性や、壁と荷の間の場合だと挟まれてしまう可能性があります。
そのため荷振れを止める際には、手鉤や介錯ロープを使用し吊り荷との距離を保つことが重要です。

 

事故防止のための注意点

日頃の日常点検や危険予知活動、資格を取得している方でも玉掛けやクレーンでの移動は事故がとても多い作業です。
作業時には必ず以下のことに注意し安全に作業を行いましょう。
 

巻き上げ時のルール

玉掛けを行い荷を巻き上げる際には微動巻き上げを行いロープ及びワイヤーの張りを確認します。
その後、数センチ吊り上げ停止します。その際に荷の重心の確認と荷の安定の確認を行いましょう。
 

荷の移動時のルール

余談になりますが荷を実際に移動する際には、荷の通る高さと通過点に障害物が無いかの確認、作業者の通路に障害物が無いかと死角になっていないかを確認する必要があります。
実際に荷を移動する際は、2M以上の高さに荷を上げて、万が一作業員が通過した際に衝突するのを防ぎます。
 

巻き下げ時のルール

荷を地面へ巻き下げる際には作業員は安全な場所で作業を行うことと、荷を降ろす場所にはまくら木等を事前に準備しておきます。
巻き上げ時と同様に着地後に一旦停止しロープ及びワイヤーの張りを確認し更に巻き下げ荷から吊り具を外します。
使用後のクレーンは必ず2M以上の高さに巻き上げ指定の場所や安全な場所へ移動しましょう。

 

正しい知識を持ち玉掛け業務を遂行しよう

玉掛け作業は一見単純作業に思えてしまいますが、吊り上げる荷により吊り具の選定や吊り具の固定方法が異なり、正しい知識と経験が必要な作業です。
玉掛け技能講習にて玉掛けの資格とクレーン免許も併せて取得すれば作業の幅がかなり広がります。

工事現場でのクレーンオペレーターを目指す第一歩ともいえる作業ですので率先し資格取得を推奨します。
また工場内での天井クレーンでの荷の移動にも玉掛け・クレーンの資格は必要不可欠となります。

キャリアアップや社内での評価も作業の幅が広がることと比例する傾向があるため、資格の需要はかなり高いといえます。
実際に資格を取得した際には、安全第一での作業を心掛け安全に荷の移動を行って下さいね。

 
 

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BUILD編集部

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