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2022/01/05更新

建設業界は有資格者が重宝される!経験者が語るそのメカニズムとは?

仕事

 
建設業に従事する人たちにとって、切っても切れないのが有資格作業。

資格の取得にはお金がかかり、2〜3日の講習やテストを受けなければならないもの、実務経験が必要な難易度の高いものもありますよね。

果たしてそれだけのお金と時間をかけて、どれだけのメリットがあるのか、ここでは職人目線で、筆者の経験談を交えて紹介します。
 

資格をとるメリットとは? 

 
資格を取るメリットは、どんな些細な特別教育でも、資格を取得することによって結果的に給料が上がります。

積極的に事業主や上司にアプローチしなくても、資格を取得していくことで自然と給料やポジションが上がっていきますので、着々と資格取得していった方がいいでしょう。

では、そのメカニズムについて説明していきます。
 

唯一無二の存在になれる

 
筆者が職人の世界に入って初めて取得したのは「アーク溶接」の特別教育の資格でした。

業務上よく行う作業ということもあり、会社からの要請で何気なく受講したのですが、特別教育と言えど、現場内で火器を扱う危険作業でもありますので、元請けであるゼネコンも、この資格には特に注目しています。

今でも現役で溶接作業に従事していることもあり、早めに取得しておいて良かったなと思える資格です。

それからまもなく「高所作業車(10m以上)」の技能講習を受講しました。

これにより、ワンフロアあたりの階高が高い商業施設や、プラント系の現場で重宝されるようになりました。
要するに「高所でアーク溶接ができる」という長所が生まれたわけです。

その後「玉掛け(1t以上)」の技能講習を受講しました。
これにより「自分で鋼材を玉掛けし、搬入して、高所でもアーク溶接ができる」スペシャリストが誕生します。

改修工事の現場管理を任されたときには「足場組み立て作業主任者」を取得しました。

こうなると「自分で足場材を揚重して、足場を組み立てて、なおかつ高所作業車で溶接ができる」唯一無二の存在になってきます。

ここまでくれば、会社の事業主も元請の担当者も手放せなくなってきます。
そして、自然と給料や待遇も良くなってくるというのが筆者の経験談です。

ただし、厳密に言うとこれぐらいの資格を持っている人はたくさんいます。
もっと多くの資格を取得すれば、代わりになる人はいなくなるので「これ必要?」と思うような些細な資格でも、チャンスがまわってきたら取得するべきです。

唯一無二の存在になって、必要とされる人材になりましょう。
 

ポジションが上がる

 
筆者が職人仕事を始めたばかりのころは、材料や工具を運ぶといった、いわゆる「力仕事」しかやらせてもらえませんでした。

経験も責任感も備わっていない新人にやらせられることといったら、力仕事か、良くても親方の手元ぐらいです。

当時はそんな扱いに不満しかありませんでしたが、いざ自分が親方の立場になってみると納得できます。

これは、建設業だけに限らずどんな業態も同じだと思いますが、新人は上司の目の届くところに置かないとサボったり、見当違いなことをするといった心配があるためです。

とくに建設業は、一人でどれだけの仕事量をこなすかで利益が劇的に変わってきます。
それが顕著にあらわれる職種なので、マイナスになるような行動を未然に防ぎたいというのが、親方の常なのです。

そんな新人が、力仕事といった消耗品のような扱いから解放される近道は、やはり「資格取得」にあります。

筆者は「高所作業車(10m以上)」の資格を持ったことによって「力仕事」から解放されました。

特に資格を持って良かったと感じたことは、高所作業車のオペレーターを任されたときです。

たまたま、現場内に高所作業車を操作できる人がいなかったため、小一時間ほど高所作業車を操縦するだけの仕事を任されました。
その日は力仕事をせずに1日の日当をもらうことができ、資格の凄さを実感しました。

そのほかに「玉掛け(1t以上)」の資格も、荷を吊るだけですので、力仕事から解放されます。

ただし、どんな重量物だろうと何でも吊れてしまう資格なので、安全に対する責任感は強く求められます。

しかし、ルールを守り安全作業の実績をつくっていけば「玉掛けは任せられる」と思ってもらうことができ、確固たるポジションを得られやすいのも事実です。
 

待遇改善や転職にも役に立つ

  
資格を複数持っていれば、転職活動ももちろん有利になります。

もし何年も勤めているのに、給料が上がらなかったり待遇が改善されないなど不満を抱えているようであれば、転職する前提で事業主に交渉するのも一つの手です。

同じ会社に縛られず、ポジティブに転職を検討する思考も、これからの時代を生き抜くのに必要なのではないでしょうか。
 

建設業の給与体制

 
建設業は、日給月給制といった「出勤日数に応じた給与体制」が今でも受け継がれています。
一時的なアルバイトならまだしも、これを生業にしている雇われの職人にとっては不安の多いシステムでもあります。

極端な例でいうと、月に25日間フルで働いたときの給与と、月に10日分しか仕事がなかったときの給与では、数十万円の給与差になってしまうことが考えられます。

これは仕事量にムラがある職人仕事にはよくあることですが、仕事がないからといって給料が減ってしまっては、将来が不安になってしまいます。

このような悩みを抱える職人さんは、多いのではないでしょうか。
特に働き盛りの30〜40歳辺りは、家庭を持つようになったり、親のお世話をするようになったりと、生活環境が変わりやすい時期です。

現に筆者も、こういった頃に転職に興味を持ち、収入の安定を求めて転職活動をしていた時期がありました。
 

有資格者は必要とされている


 
別の業種に転職しようと思いハローワークに登録し、転職活動を開始したときに意外なことに気がつきました。

求人票に目を通してみると、建築系の資格者を優遇するものが多く、その職種が多岐にわたっていることです。

水道局や鉄道系といった公共性の高い職種でも、メンテナンス部門などであれば「アーク溶接」や「足場組み立て」などの建築系の資格が生かせること。

アウトドア用品などを企画販売するベンチャー企業でも、製造分野で「アーク溶接」の有資格者を求めているところがありました。

そんな思いもよらないところから必要とされているということを肌感覚で知れたことと、これまでのキャリアを引き継いで、新たな職種に就けるということを知れたのは、大きな収穫でした。

また転職活動を通じて、建設業の外の世界を知れたことは、自分に自信を持つきっかけにもなりました。

結局のところ、転職活動を経て、私はそのまま会社に留まることにしました。

転職の旨を事業主に話したところ、給料および待遇の改善を提案していただいたので、それに合意したかたちです。

具体的には、

  1. 給与アップ
  2. 月給制の採用
  3. 有給休暇の取得

 
など、職人としてはとても優遇された環境で、仕事を継続することができました。

これには、取得してきた資格で自分の価値を高めることができたことも一因だと思っています。
 

資格は自分の価値を高める

自分の価値を高める近道は、資格を積み重ねていくことです。

どんな些細な資格でも構いません。チャンスがまわってきたらドンドン資格取得にチャレンジしていきましょう!
 
 

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BUILD編集部

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