BUILD

職人のためのライフスタイルメディア

2024/09/19更新

熱中症にも後遺症が!恐ろしい後遺症とリスクを高める要因とは

健康

 
春・夏・秋の暑さ対策として、熱中症への注意が欠かせなくなった近年。

熱中症は命に関わる危険性だけでなく、後遺症を残す可能性があることを知っていますか?

今回は熱中症の後遺症について、その種類や要因、予防策についてをまとめました。
 

多岐にわたる熱中症の後遺症

 
重篤な熱中症にかかってしまうと、後遺症が残るリスクが高くなりますが、軽症の場合でも稀に後遺症が出てしまう場合があり、後遺症の種類は多岐にわたるといわれています。

軽い後遺症の場合、頭痛倦怠感めまいなどがあります。

重度の後遺症の場合、肝臓や腎臓の機能に障害が出たり、嚥下障害、小脳失調、失語症や、高次脳機能障害(記憶障害、注意障害など)といった、脳や脊髄が傷ついて起こる中枢神経障害があります。

熱中症の程度や個人差によって後遺症の種類や程度は異なり、また回復するまでも、数週間から数ヶ月、数年続くなど様々です。
 

後遺症になる原因

 
後遺症になってしまう原因として、熱中症により体温が急激に上がり、その状態が続くことで脳や心臓、腎臓などの臓器がダメージを受け、機能障害を起こしてしまいます。

高熱になることで、細胞内のたんぱく質が変性し、細胞がダメージを受けてしまいます。この細胞へのダメージが、様々な後遺症を引き起こすと考えられています。

また脱水症状によって血液が濃縮し、ドロドロになることで血栓ができやすくなります。
血栓が脳や心臓の血管に詰まると、脳梗塞や心筋梗塞などを引き起こす可能性もあります。
 

後遺症のリスクを高める要因

 
後遺症のリスクを高める要因は様々なことが考えられ、熱中症になってしまったときの対処法によっても変わってくることがあります。
 

後遺症が残りやすい要因

 
熱中症の後遺症が残りやすい要因はいくつか挙げられます。
 

  • 高血圧、糖尿病、心臓病などの基礎疾患がある
  • 体温を調整する機能が低下している高齢者
  • 体温調節能力が未発達の子ども
  • 熱中症の重症度
  • 熱中症にかかった際の適切な処置の遅れ

 
などがあります。

またこれらが重なることで、重度の後遺症が残ってしまう可能性が考えられます。
 

熱中症の重度

 
熱中症の症状の重さは、3段階に分けられています。
 

  • Ⅰ度(軽症)
    めまい、立ちくらみ、気分が悪い、ぼーっとする、手足の痺れ、大量の発汗、こむら返りや筋肉痛があるなど

  • Ⅱ度(中等症)
    強い頭痛、吐き気、嘔吐、倦怠感

  • Ⅲ度(重症)
    真っ直ぐに歩いたり、走ったりできない、意識障害(応答が鈍くなる、呼びかけに反応しないなど)、痙攣、高体温(40℃以上)、手足の運動障害、臓器不全など

*参考元:環境省 熱中症になったときには
 

熱中症の症状によって重度が変わり、重症に近くなるほど、後遺症のリスクも高くなります。

軽度の熱中症でも、持病を持っていたり、体温調節がうまく機能していないなどが重なってしまうことでも、後遺症が残ってしまう可能性があります。

また熱中症になってしまった際、適切な処置対応が後遺症リスクのカギにもなります。
 

熱中症対策


 
後遺症が残らないためにも、熱中症にならないための対策をすることが大切です。

またもし熱中症になってしまっても、適切な処置を覚えておくことで、少しでも後遺症のリスクを下げることができます。
 

熱中症の予防

 
熱中症を引き起こす要因として「環境」「からだ」「行動」によるものが考えられています。

環境は、気温や湿度が高く、風が弱いなど、からだは激しい運動や労働による体温の上昇や、暑さに体が対応できていないなどがあります。

行動は、屋外で長時間運動や作業をする、長い間水分補給できない・しないなどがあります。

これら3つの要因が重なって、熱中症を引き起こしてしまうといわれています。
 

熱中症にならないためには、

  • 徐々に体を暑さに慣らしていく
  • 涼しい服装と、日傘、帽子などを使用する
  • こまめに水分・塩分を補給する

 
といった対策が大切になってきます。
 

そのほかにも、栄養バランスの取れた規則正しい食事を心がける十分な睡眠を取る快適な室内環境にすることなども熱中症予防に繋がります。

外出する際は、環境省が発表している熱中症アラートを確認してから、しっかりと暑さ対策をしてでかけるといいでしょう。

▷ 環境省 熱中症予防情報サイト
 

後遺症を防ぐために

 
熱中症の症状が出てしまった場合、ただちに涼しい場所へ避難する、水分と塩分(経口補水液)をとる、体温を下げるなどといった対応をすることで、重症化を避け、後遺症のリスク低減に繋げることができます。
 

現場での応急処置

  1. 涼しい場所や環境へ避難
    風通しの良い日陰、クーラーのついている場所へ移動または運ぶ

  2. 脱衣と冷却
    【軽症・中等症の場合】
    衣服を緩め、皮膚を濡らし、うちわで仰ぐ、氷やアイスパックなどで冷やす(これでよくなれば軽症)
    左右の首の付け根、両脇下、太ももの付け根を冷たいペットボトルの水や氷などで冷やす

    【重症の場合】
    スポーツや労働での場合、水道に繋いだホースで全身に水をかけ続ける
    高齢者など労作性でない場合、体を冷やしつつ、直ちに医療機関へ搬送


  3. 水分・塩分を取る
    意識がはっきりしている場合は、冷たい水を飲む
    大量に汗を書いている場合は、スポーツドリンクや経口補水液を飲む
    意識が朦朧としている、呼びかけに対しての反応がおかしいときなどは、水などは飲ませず、病院での点滴が必要

  4. 医療機関へ運ぶ
    自力で水分補給ができない場合は、緊急で医療機関へ搬送する

*参考元:環境省 熱中症環境保健マニュアル 2022 熱中症になったときには
 

また、症状がなかなかよくならない、体温が下がらない、中度以上の症状が出ているときなどは、すぐに医療機関を受診しましょう。
 

まずは熱中症にならない対策を

 
熱中症による後遺症を防ぐためには、まず熱中症にならないことが大切です。

また万が一、熱中症になってしまった場合や近くの人が熱中症の疑いがある場合は、適切に処置をして、後遺症のリスクを少しでも減らしましょう。

そのためには、日頃から熱中症に対しての正しい知識と、応急処置を見直しておくといいですね。
 

参照元: 
*環境省 熱中症の基礎知識
*環境省 熱中症環境保健マニュアル 2022
*熱中症ゼロへ 熱中症について学ぼう:熱中症にかかった翌日
*ファストドクター 熱中症による後遺症について解説|どんな症状が残る可能性がある?

 

▽熱中症や暑さ対策に関連する記事はこちら▽






 
 
Pocket   はてブ   保存

この記事を書いた人

BUILD編集部

BUILDのSNSをフォローして
最新情報をチェックしよう!

のSNSをフォローして
最新情報をチェックしよう!