2025/02/13更新
一家に一台は必要!?役立つポータブル電源の基本情報と選び方
生活
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アウトドアや災害時など、電源確保の強い味方として注目を集める「ポータブル電源」。
しかし、いざ購入しようと思っても「種類が多くて選べない」「自分に合った容量や機能がわからない」という人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、ポータブル電源選びの基本情報と目的別に確認するべきポイントを紹介します。
目次
購入前に確認したいポータブル電源の基本情報
ポータブル電源についての基本的な知識になります。
知っておくと、いざ購入したいときに何を気にすればいいのかが見えてくるでしょう。
容量: 使用したい家電製品の消費電力
ポータブル電源の容量は「Wh(ワットアワー)」で表され、この数値が大きいほど、多くの電力を供給できます。
必要な容量は、使用したい家電製品の消費電力(または定格消費電力)とその使用時間で異なります。
消費電力(W)× 使用時間 = 必要な容量(Wh)
例えば、スマホ充電、電気毛布、ノートパソコンをポータブル電源に繋げて使いたい場合、それぞれの消費電力に使用時間をかけた数字を全て足すと、必要なポータブル電源の容量が把握できます。
- スマホ充電 :15Wh
- ノートパソコン使用:30Wh
- 電気毛布使用 :50Wh
- 小型冷蔵庫使用 :80Wh
*参考元:馬渕工業所 1日に使用する電気機器例と消費電力量の目安
スマホの充電2時間、電気毛布を6時間、ノートパソコンを3時間使用した場合
スマホ充電 :15Wh × 2時間 = 30Wh
電気毛布 :50Wh × 6時間 = 300Wh
ノートパソコン:30Wh × 3時間 = 90Wh
合計:420Wh以上の容量が必要
家電製品によって消費電力は様々です。ポータブル電源の容量がどれくらい必要になるかの目安は、自身の持っている家電製品を確認して計算してみましょう。
出力ワット数:使用する消費電力を確認する
ポータブル電源の出力ワット数は、どれだけの電力を供給できるかを示します。
出力が足りない場合、高電力を必要とする機器は動作しないか、電源がすぐに切れてしまいます。
- 低出力(~100W)
スマートフォンや小型LEDライト、カメラ、ノートパソコンなどに適している。 - 中出力(100W~300W)
テレビ、デスクトップパソコン、扇風機、車載冷蔵庫など。 - 高出力(300W~1000W以上)
電気ケトル、ミニ炊飯器、家電製品などの大きな機器の使用に必要。
使用するデバイスの消費電力を確認し、その合計がポータブル電源の出力ワット数の範囲内であることを確かめましょう。
出力波形:家電製品に合ったものを選ぶ
電力は「正弦波」と「矩形波(くけいは)」「修正正弦波(修正弦波・疑似正弦波)」の3種類の波形で供給されます。
- 正弦波
家庭用コンセントと同じ安定した電力。パソコン、医療機器など精密機器にも使用可能。 - 矩形波
不安定な電力。一部の家電製品では正常に動作しない場合も。 - 修正正弦波
正弦波に近づけた波形で、ホットプレートなど矩形波よりも幅広い家電製品に使用可能。
正弦波では、パソコンを使用する際などに安心ですが、費用が高くなったり、重くなってしまう一方、矩形波は費用が安く、軽くなります。
どの家電製品を使用したいか用途を考えて、波形にも注目してみてみましょう。
*参照元:アジア電子工業株式会社 正弦波とは?電源における正弦波の意味や重要性を解説
出力ポートの種類:必要とする接続端子の種類と数をチェック
出力ポートには、家電製品を繋げるためのAC電源コンセントや、スマートフォンやカメラなどを繋げるUSBポートがあります。
- AC出力
家庭用コンセントと同じ形状。家電製品をそのまま使用可能。 - USB出力
スマートフォンやタブレットの充電に便利。
USBポートの中でもType-AやType-Cなど、どの種類が備わっているのか、またそれぞれの出力ポートの数がどれくらいあるかも確認しましょう。
いざ使ってみて、もっとあるとよかった…と思うことが少なくなるかもしれません。
充電方法:自分に合った方法で効率的に充電
ポータブル電源の充電方法は、コンセント、ソーラー充電、シガーソケットからの充電などがあります。
- AC充電
家庭用コンセントから充電。最も一般的で効率的な充電方法。 - ソーラー充電
太陽光パネルを使用して充電。 - シガーソケット充電
車のシガーソケットから充電。災害時やアウトドア環境でいざというときに役立つが、天候に依存する。
コンセント充電だけの場合でも、付属品を購入してソーラー充電も可能になるタイプなどもあります。
どの充電方法が必要か、そして充電にどれくらいの時間がかかるかを確認しましょう。
特にソーラー充電を利用する場合は、パネルの大きさや充電効率も重要になってきます。
サイズ・重量:用途・目的に合わせたものを選ぶ
ポータブル電源は、容量や機能が増えるにつれて重量も増します。
頻繁に持ち運ぶ場合やアウトドアで使用する場合は、持ち運びやすい軽量なモデルが便利です。
災害時にあると安心な大容量モデルは、様々な家電製品に使用することができますが、重くなる傾向があります。
- 軽量タイプ(~5kg)
持ち運びやすいが容量が限られる。 - 中量タイプ(5kg~10kg)
バランスが取れており、アウトドアや災害時に適している。 - 重量タイプ(10kg以上)
容量が大きいが、移動が大変。取っ手やキャスター付きもある。
使用場所や頻度に応じて、適切な重量とサイズを選びましょう。アウトドアや移動が多い場合は、コンパクトで軽量なモデルが便利です。
価格:容量や機能などによって大きく差が出る
ポータブル電源の価格は容量、機能、ブランドによって異なります。
大容量で高機能なモデルほど高価になりますが、必要な機能を満たす範囲で予算内の製品を選ぶことが大切です。
- 低価格帯(〜30,000円)
容量や機能が限られるが、スマホや小型家電用としては十分。 - 中価格帯(30,000円〜100,000円)
容量も機能もバランスが良い。ノートPCや中型家電に対応。 - 高価格帯(100,000円以上)
大容量で、災害時や大型家電にも対応可能。
価格は機能や容量と相談し、必要最低限のスペックを満たすモデルを選びましょう。
そのほかの機能:安全性や利便性を高める機能の有無
安全性の高いポータブル電源を選ぶことは非常に重要です。過充電や過放電、過熱、短絡(ショート)などに対する保護機能が搭載されているかを確認しましょう。
- 過熱保護
電源が過熱しないようにする機能。 - 過充電保護
バッテリーが過充電にならないようにする。 - 短絡保護
短絡による故障や火災を防ぐ。
信頼できるメーカーの製品を選び、安全機能がしっかり備わっているものを選ぶことが重要です。
そのほか、使用していないときの自然消費電力がどれくらいなのか、ポータブル電源のファンの音が気にならないか、耐水性や耐衝撃性があるか、スマートフォンから遠隔操作ができるかなど、あると便利な機能も、使用用途によって確認するといいでしょう。
目的別!ポータブル電源選びのポイント
ポータブル電源の基本的な情報がわかったところで、次にどういった理由で何に使用したいのか、目的別に選ぶ際のポイントを紹介します。
アウトドア用
アウトドアでの使用を考えると、軽量で持ち運びがしやすく、充電が簡単なモデルが理想です。キャンプ、バーベキュー、車中泊などでの利用を想定して選びます。
- 容量:
日帰りなら〜500Wh、宿泊なら1000Wh以上が目安。 - 出力波形:
スマートフォンやLEDランタンを使用する場合は、矩形波でもOK。 - 出力ポート:
USBポートが複数あると便利。ACポートがあると、パソコンの充電などにも使用可能。 - 充電方法:
車載充電ができるシガーソケットタイプや、ソーラー充電対応モデルがおすすめ。
アウトドアシーンでは天候や温度の変化に対応する必要があります。耐水性や耐衝撃性のあるモデルを選ぶとより安心です。
災害時用
災害時には、信頼性が高く、長時間安定して電力を供給できることが求められます。停電が発生した場合でも、長い間電力を供給できる大容量モデルが理想です。
- 容量:
停電時でも最低限の電力を確保するため、1000Wh以上がおすすめ。 - 出力波形:
様々な家電製品に対応できるよう、正弦波が必須。 - 出力ポート:
AC出力、USB出力など、様々なポートがあると便利。 - 充電方法:
AC充電タイプで事前に充電しておく。
停電時に役立つLEDライト機能があるとなお便利です。
長期間停電してしまったときのために、車載充電ができるシガーソケットタイプや、ソーラー充電ができると、さらに安心ですね。
また長期間使用しない場合も考えると、長期保存可能なモデルや自然消費電力が低いモデル、過充電防止や短絡保護機能などの安全面がしっかりしているモデルを選びましょう。
災害時には故障が命取りになる可能性があります。
アウトドア&災害時兼用
アウトドアも災害時にも両方使いたい場合は、汎用性が高く、バランスの取れたモデルを選ぶことが重要です。
災害時の備えとしても、アウトドアでの快適さも考慮する必要があります。
- 容量:
700Wh〜1000Whが汎用性が高くおすすめ。 - 出力波形:
正弦波が必須。 - 出力ポート:
AC出力、DC出力、USB出力など、バランス良く搭載されているか確認。 - 充電方法:
AC充電とシガーソケット充電両方あると便利。さらにソーラー充電もできると、いざというときに安心。
両方の用途に使う場合は、耐久性と安全性も重要なポイントです。
長時間使用することが多いので、耐衝撃性や防塵・防水機能を備えたモデルや、短絡保護、過充電保護、過放電保護などがしっかりしている製品が理想です。
保管方法やメンテナンスにも注意しよう
ポータブル電源は高い買い物になります。購入する前に用途を考え、使用目的にあった電源を選ぶことが重要になってきます。
また購入した後も、バッテリーを長持ちさせるためには、適切な保管方法と定期的なメンテナンスが必要です。
保管する際は、バッテリー残量を60〜80%にし、高温多湿や低温環境を避けた日陰で風通しの良い場所で保管する、半年に1度など定期的に使用して機能のチェックをしておきましょう。
ポータブル電源があると、より快適かつ安心な環境確保に役立てられること間違いありません!
*参考元:JVC ポータブル電源 ライフハック バッテリーを長持ちさせる使い方と保管法
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