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2020/08/12更新

実際に経験した!建設現場であった施工管理の失敗談をまとめてみた

仕事

施工管理をしていると図面や計画上では問題が無いけれど、いざ実際に工事を始めると予期せぬ問題が発生して工事が思うように進まないことがよくあります。

失敗というものは一度経験すると次回からは警戒して、同じ失敗をしなくなるものですが、できることならば人の経験談などを参考にして、未然に失敗を回避したいと誰もが考えることだと思います。

本記事では実際に経験した建設現場での失敗談を元に、原因から改善策についての内容を記載させいただきます。

建設現場では日々様々な問題が起こります。
そのうちのほんの一部ではありますが、あなたの施工管理の参考にしていただけたら幸いです。

施工管理の失敗談3選

実際に経験した失敗談を工種別にまとめましたのでご覧下さい。

土工事

『レベルの測り違いで、根切り底の高さを間違えた失敗談』

■現場状況
旗竿型の敷地形状で、ベンチマークとなるマンホールなどがある前面道路からは少し奥に入った見通しのあまり良く無い場所に建物を建設する環境にあった。

■建物概要
・老人ホーム
・RC造 地上2階建
・建築面積:約2500㎡
・延床面積:約5000㎡

■勤務環境
・自分の立場:ゼネコンの現場監督(主任)として配属(所員合計5名)
・勤務状況:主任として新人監督の教育をしながら施工管理の業務をしていた。

【失敗事例】
ベンチマークから敷地の中へレベル計測ポイントの基準点を移し替える作業を新人と二人で行っていた。
移し替える先のポイントまで100m以上の距離があり、何度かポイントを移し変えているうちに高さを読み間違え、実際の設計GLより300㎜低くレベルのポイントを設置してしまった。
新人の指導などをしながらの作業であったため、計測に集中できず読み間違えをしてしまったことが理由と考えられる。

【損害内容】
間違えたレベル計測ポイントの高さで根切りをしてしまい、残土搬出量を750㎥余分に出してしまった。

また、間違えたままの高さで基礎を築造してしまい、1階の床を築造する工事の際に周囲の地盤レベルより低いことに違和感を感じ間違いに気が付いた。

その後の修正工事については、基礎天端から1階スラブまでの高さが足りない部分にフカシの構造体を追加する工法を採用し、鉄筋とコンクリートの打ち増しを行った。

残土処分費や材料費、施工手間を含めて1500万円程度の追加費用が発生した。

【改善策】
レベルの移し替え後に時間はかかってしまうが、再度振り返りの確認をしておけば今回の失敗は回避できたと考えられます。
重要なポイントとなる項目は必ず再確認をするようにしましょう。

躯体工事(RC造)

『設計変更した壁厚を即席対応して、型枠がパンクした失敗談』

■現場状況
 交通量の多い県道に面した敷地に地上10階建のマンションを建設していた。3階部分の躯体(型枠工事)をしている時の出来事であった。

■建物概要
・マンション
・RC造 地上10階建
・建築面積:約300㎡
・延床面積:約3000㎡

■勤務環境
・自分の立場:ゼネコンの現場監督(主任)として配属(所員合計3名)
・勤務状況:主任として躯体工事の施工管理の業務をしていた。

【失敗事例】
3階の躯体工事を進めている時に、構造的な納まりの理由で壁の厚みを変更することになった。
現場の型枠工事は建て込み作業中であったことと、使用する壁厚のセパレーター金物を再手配する時間が工期的に厳しかったため、Pコンを継ぎ足して即席対応とした。

コンクリート打設時に例の壁厚変更のあった箇所にコンクリートを流し込んでいるところ、『ボン』という音と共に型枠のパネルが外れコンクリートが床上に流れ出てしまった。

【原因・損害状況】
流れ出たコンクリートを清掃後、破損した型枠の箇所を確認したところ、Pコンを使用した
部分の即席セパレーターが破損していることが分かった。

損害としては、コンクリート打設の一時中断と、清掃員費用及びコンクリートの廃棄処分費用等を含めて、10万円程度の費用が発生してしまった。

【改善策】
壁厚等の設計変更があった場合は、工事を一時遅らせてでも正しい材料を手配し施工することが重要になります。
どうしても工事を遅らせることができず即席セパレーター等で対応する場合は、支保工などを使用した外側からの補強を十分にする必要があります。

溶接工事

『溶接の火花でガラス交換した失敗談』

■現場状況
 某国内自動車メーカーの店舗外装改修工事にて、下地の鉄骨補強のため溶接工事をしていた時の出来事であった。

■建物概要
・自動車販売店舗
・S造 地上2階建
・建築面積:約200㎡
・延床面積:約250㎡

■勤務環境
・自分の立場:ゼネコンの現場監督(所長)として配属(所員合計2名)
・勤務状況:現場代理人(所長)として店舗改修工事の施工管理の業務をしていた。

【失敗事例】
ショーウィンドウの大型ガラスの上に庇があり、下地の補強工事として鉄骨の溶接作業をしていた。
溶接作業時にスパッタ(火花)が飛ぶので、薄ベニヤ等でガラスの養生をしながら作業を進めていた。
改修工事は全て完了し、足場を解体して引き渡しを完了したが、後日店舗から連絡があり、窓ガラスに茶色い粉のような汚れがついているので清掃して欲しいとクレームが入った。
原因を確認したところ、汚れでは無く溶接のスパッタ(火花)がガラスに付着し溶けてガラスの中に入り込んでしまっている状態であった。足場を解体して雨があたるようになり、錆として浮かびあがり目立つ様になったことで事実が判明した。

【対応・損害状況】
ガラスにめり込んでしまったスパッタは研磨等で取り除くことができず全部で10枚の大型ガラスを交換することになり、総額約400万の損害となってしまった。(保険適用)
ガラスの養生の方法については、全面ベニヤ貼りや、耐熱フィルムの使用について積算段階で検討はしていたが、短期の工事であることとコスト面の都合で却下されていた経緯があっただけに悔やまれる結果となり、養生の重要性を改めて痛感する形となってしまった。

【改善策】
工事をする周囲に高額の物や、交換が難しい建材を使用している状況の場合は、積算の段階で養生費用を見込んでおく必要があります。
仮に費用を見込んでいなかったとしても、今回のような事例を上げて養生の必要性を主張することが必要です。

失敗をしないコツはある?

建設現場で失敗をしない一番のコツがあるとすれば、それは、経験者の話を参考にすることだと思います。

様々なことが起因して問題は発生しますが、ベテラン監督よりも経験の浅い監督をの方がアクシデントに見舞われるケースが高いのは確かのようです。

職場の上司や先輩の経験談を聞いたり、実際に仕事をする職長さんと今後の工事の流れなどを軽い雑談の延長線で会話しておくと、大きな事故になる前に未然に防ぐことができる場合もあります。

よく失敗をする人は、プライドが高く思い込みが強い人に多く見られる傾向があります。
自分の無知を隠そうとせず、経験者のアドバイスを素直に受ける姿勢を心掛けることが良い結果に結びつくのだと思います。

経験者の声を元にリスクアセスメントすることが一番の対策になるでしょう。

 
 

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BUILD編集部

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